恥さらし―北海道警悪徳刑事の告白

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062172691
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

犯罪者へ転落した「エース刑事」の懺悔
9年の服役後、腐敗した警察組織のすべてを明かす
圧倒的迫力のクライム・ノンフィクション

2000年4月、莫大な量の覚醒剤が北海道函館新港に運ばれた。その量130キロ、末端価格にして約40億円。“密輸”の手引きしたのは、北海道警察銃器対策課と函館税関だった――。
根っこまで腐りきった道警が日常的に犯してきた違法捜査の数々。ガサ状なしの家宅捜索、クビなし拳銃の押収、おとり捜査、やらせ逮捕。そして、彼らが行き着いたのは、覚醒剤の“密輸”だった。「銃対のエース」ともてはやされ、上司の指示の下、数多くの違法捜査に手を染めた著者は、最後には警察組織に裏切られ、覚醒剤の魔力に魅せられていく。
2002年7月、著者は覚醒剤の使用をエス(=情報提供者)に告発され、逮捕される。道警史上初となる現役警部の逮捕によって、“道警の闇”が次々と明るみに出た。これが、北海道警察のみならず、全国の警察組織を震撼させた「稲葉事件」だ。捜査の過程では著者の元上司と告発したエスの二名が自殺。問題の根の深さがあらゆるメディアで報道された。
数多くの警察小説やノンフィクション作品のモチーフとなった「稲葉事件」の当事者が、9年の服役を経て、新事実とともにそのすべてを告白する。

序章
第一章 機動隊 柔道特別訓練隊員
第二章 暴力団捜査
第三章 クビなし拳銃
第四章 銃器対策のエース
第五章 エス――情報提供者
第六章 警察庁登録五〇号事件
第七章 違法捜査
第八章 泳がせ捜査――道警が関わった覚醒剤一三〇キロ密輸
第九章 薬物密売
第十章 逮捕
第十一章 法廷での告白
終章

内容説明

犯罪者へ転落した「エース刑事」の懺悔9年の服役後、腐敗した警察組織のすべてを明かす。圧倒的迫力のクライム・ノンフィクション。

目次

機動隊柔道特別訓練隊員
暴力団捜査
クビなし拳銃
銃器対策のエース
エス―情報提供者
警察庁登録五〇号事件
違法捜査
泳がせ捜査―道警が関わった覚醒剤一三〇キロ密輸
薬物密売
逮捕
法廷での告白

著者等紹介

稲葉圭昭[イナバヨシアキ]
1953年、北海道生まれ。東洋大学を卒業後、1976年に北海道警察に採用され、機動隊に柔道特別訓練隊員として配置される。道警本部機動捜査隊、札幌中央署刑事第二課、北見警察署刑事課、旭川中央署刑事第二課を経て、1993年、道警本部防犯部保安課銃器対策室(後の生活安全部銃器対策課)に異動。道警銃器対策課が主導した「警察庁登録50号事件」や「ロシア人おとり捜査事件」、「石狩新港泳がせ捜査」など、数々の“違法捜査”に関与。捜査費を捻出するため、自ら覚醒剤の密売に手を染めるようになった。2002年、現役の警部としては道警史上初めて覚醒剤使用で逮捕され、懲戒免職。覚せい剤取締法違反、銃刀法違反の罪で懲役9年を宣告される。2011年9月、刑期満了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッキ@道央民

55
この夏公開の映画の原作と言う事で興味を持ち読んでみましたが驚く内容ばかり。身近な北海道警察いわゆる道警はここまで腐りきっていたのか。当時、この本の著者である稲葉元警部逮捕から明るみに出た不正、拳銃摘発のやらせなど大きく話題に上ったのは記憶していました。面子と体面を重んじる警察組織とノルマ主義により組織ぐるみで犯罪に荷担していく様子が克明に語られていました。まさか、函館税関もグルになっておとり捜査名目にて覚醒剤や大麻まで密輸していたなんて・・・。著者が覚醒剤の虜になっていく過程もなんとも恐ろしい。2016/07/07

おかむら

39
綾野剛主演「日本で一番悪い奴ら」の原作。道警の腐れ刑事の告白本。いやあ面白かったー。ノンフィクションだけど、フィクション以上の悪徳刑事。もはやコメディ。映画の方も楽しみー。2016/05/23

うわじまお

24
映画「ニチワル」の原作本。よくぞここまで書いたなというのが第一の感想。そして、やっぱり警察って腐った組織なんだなというのが第二の感想。この本を読んだ道警のまじめな人たちはつらいだろうなあというのが第三の感想。読んでまったく損はない、すごい一冊でした。2016/07/06

うーちゃん

20
お気に入り様の感想に惹かれて。今月公開の映画の原作であり、「稲葉事件」衝撃のノンフィクション。一度隠蔽体質になると、組織というものは悪い意味で無敵。違法捜査に手を染め、ついには覚醒剤を常用するにまで堕ちた著者は確かに"悪徳刑事"だったのだと思う。でも、彼を捨て駒的に利用し、事態が明るみに出ると集団で知らぬ存ぜぬ、すべては部下がやったこと、と逃げおおす組織上層部の面々、彼らが何よりも"悪い奴ら"に見えた。コンプライアンスの徹底って、どこまで可能なんだろう。読みものとしても面白いので、おすすめ。2016/06/03

ゆずぽん

18
映画が気になったので原作を読んでみた。これは真実なんだと思いながら読んでいてため息しか出てこない。これは道警だけで起こったことではないのでは?という警察への不信感が増幅された。解説にあった“警察組織におけるコンプライアンスの欠如”ってなに!?事実は小説より奇なり、ほんとに恐ろしい告白本でした。2016/06/29

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