出版社内容情報
高尚なセックスなど、、、ない! 人間の本能を痛打する、劇的官能小説。男も女も生まれくる者みな、どうしようもない性を前に丸裸になる。
内容説明
『男がなくしたもの』―クレジットカード破産寸前の神河の前に現れた女・ゆきみ、『狂饗記』―桜井は、ひそかに小学生の息子の担任・筒井先生と関係を持つが、『あの手のぬくもり』―女子大生・七海はバイト先で出会った中年男に調教され、ほか三編収録。芥川賞作家が描く、深奥の官能エロス短編小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
33
費やした時間返せ~という作品。官能・エロスと侮るなかれ・・という作品もあるけれど、これって何。男も女も、偉そうには言えないけれど平成のおとしご(といっても昭和らしき人も多いけどね)の恋愛事情ばかり。玄月さん、TVや雑誌のインタビューで感じたものとは大きく離れていたなぁ。良くも悪くも、もっと筋のある方かと思ってたけど(100%勝手な当方の思い込み)2015/07/02
ndj.
2
まるで美しくない男と女の、まるで美しくない性の饗宴。幻想の入り込む余地などどこにもなく、哀れな男と惨めな女をぶった切っていく様は残酷ですらあるが逆に心地よく、好ましい。それでもやはり「あの手のぬくもり」が一番印象に残ったのは、どこかおとぎ話めいた部分があるからか。女という生き物はいくつになっても救いを求めてしまうのだ、あさましいことである、な。2015/03/10
DERIA
2
カフェをされているというので読んでみたが受け付けない。作者の作品が図書館にこれしかなかったので。官能小説とは知らなかった…知ってたら借りなかったなぁ。2014/10/07
岡山の山奥ニート
2
官能小説ってこの程度なんだと思った。オチが「ギラギラしたオスに女は惹かれるもの」だとか「疎外感・孤独感以外(浮気をした)自分には何も残っていない」という幻滅したものばかり。2011/11/26
世玖珠ありす
2
久々に読んだ官能小説集。ちょうど良いエロ具合の中に、50歳間近の中折れコンビが、老後を愁いて全然イケてない後家さんにすがりつく話など、ちょっと現代のブラックユーモアも織り交ぜてあり、『官能』とは別な部分でも充分楽しめる作品集でした。2011/10/19