珍獣病院―ちっぽけだけど同じ命

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珍獣病院―ちっぽけだけど同じ命

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062167789
  • NDC分類 K649
  • Cコード C0045

出版社内容情報

東京・田園調布に、一風変わった動物病院がある。待合室を覗いてみると、 見慣れた犬や猫に混じってフクロモモンガやカメ、カエル、トカゲなどの姿 が。この動物病院では、どんな珍しい動物が来ても、可能な限り診察するとい う。著者である院長の田向健一氏は、これまで金魚やアマガエル、ウーパール ーパー、ハリネズミ、アリクイ、カワウソ、テナガザル……魚類から両生爬虫 類、哺乳類まで、100種類以上のペットを診察してきた。誰が呼んだか「珍獣 ドクター」。まだまだ未開の分野である「珍獣の医学」の世界に臆することな く、文献を調べ、経験をフルに生かし、果敢にチャレンジする。“カエルの難 病・ツボカビ症に人間用の水虫薬を応用” “金魚の手術のためにエラ呼吸専 用麻酔装置を発明”“カメの手術の際に甲羅の新しい切開方法を考案”するな ど、奇抜とも思える発想で新治療法を開発し続ける。筆者の診療日記をひも解 くと、珍獣たちの不思議な生態と意外な病気に驚かされ、それにかかわる飼い 主たちの様々な想い、そして力強くもはかないペット達の命のドキュメントが 涙を誘う。
 著者は本書の中で、自身の挑戦をこう表現している。
「どんな動物が来ても引き受けようと思った。どんな動物の、どんな病気も治 療していきたい……そんなことは途方もないことに思われる。だけど、藪の中 をよろよろしながら、手探りしながらでも、目の前の草を少しずつ刈っていく と、いつか一本の道ができる。それと同じように、僕に出来る事を一つずつや っていくと、いつか『珍獣の医学』が確立するんじゃないか。遠く夢を見なが らも、目の前の現実に対して精一杯やっていく……」。
 悩み、逡巡し、ときに後悔にさいなまれながらも、真摯に動物と向き合う獣 医師の診療現場。動物好きな人はもちろん、ふりがな付きなので、小学生の子 どもたちでも楽しめる。

主なエピソード
●帝王切開で生まれたリスザルの赤ちゃん
●ビー玉を飲み込んでしまったフトアゴヒゲトカゲ
●可愛い顔に似合わず、虫が大好きなフクロモモンガ
●体長2cmのアマガエルの開腹手術
●前脚を切断し3本脚になったゴールデンレトリバー

第1章 田園調布動物病院は今日も大忙し
第2章 珍獣との「幸せな暮らし方」
第3章 僕はどうして獣医になったのか
第4章 だから珍獣は面白い!
第5章 命に休みはない

内容説明

珍獣の不思議な病気と驚きの治療法の数々。力強く、そしてはかないペットの感動ストーリー。

目次

第1章 田園調布動物病院は今日も大忙し(動物病院は小さな総合病院;町の獣医さんはなんでもやる ほか)
第2章 珍獣との「幸せな暮らし方」(ウサギも金魚もウーパールーパーも珍獣;犬と珍獣、同じペットでもこんなに違う ほか)
第3章 僕はどうして獣医になったのか(ダンゴムシもハサミムシも、カエルもヘビも僕のペット;イグアナが家にやってきた! ほか)
第4章 だから珍獣は面白い!(カエルLOVE;タランチュラ、8カ月の断食後、脱皮 ほか)
第5章 命に休みはない(骨肉腫で前脚を切断。3本脚になったゴールデンレトリバー;なぜ震えているの? ほか)

著者等紹介

田向健一[タムカイケンイチ]
1973年7月14日、愛知県生まれ。田園調布動物病院院長。麻布大学獣医学部獣医学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

papako

70
作者の他の著書が気になっていましたが、セールでこちら。犬猫以外も病院に入る動物ならなんでも診てくれる動物病院の獣医さん。そっかうさぎも珍獣なんですね。動物に感情移入することなく接している姿勢が素敵でした。獣医学部でもイグアナのことは学べないんですね。先日急に倒れた我が家の愛犬、近所の主治医に助けてもらいました。何かあるとすぐに駆け込んでいるモンペかもしれませんが、とても丁寧に診てくださる。『右目に愛情、左目に客観性』肝に銘じます。2021/02/15

sk4

65
東京で動物病院を営む院長先生のつぶやき。 楽しい話や驚くトピックだけじゃなく、せつない話や身につまされる話なども満載。 特にペット産業事情なんかは暗澹たる気持ちになった。 私も幼少の頃は三浦半島の海・野山に育ち、小動物にとっては迷惑極まりないサーチ&デストロイを繰り返す標準的な悪童だったので、将来仏教に帰依した場合は間違いなく地獄に落とされるのでしょうが、そんな私から見てもペット産業の裏で失われるたくさんの命の話は正視できなかった。 「右目に愛を、左目に客観性を」ですね。ホントに。2013/07/27

Ririka

37
どんな動物も診てくれる、たった2.8gのアマガエルの手術をされたり、トカゲや、プレーリードッグ、亀、イグアナなどあらゆる動物の症状の治療をされてる様子が書かれてます。ぺットを飼う上で参考になることもあり、獣医になったきっかけや、単独でアマゾンへ行かれた事など とても内容が詰まっていて興味深く、でも生命は、終わりを迎えるので、悲しい結末になっても、受け止めやすく優しく対応されてる姿と動物と向き合うことの覚悟や大切さを教えてもらえます。ふりがながつきで小学生でも読みやすい文章で動物好きさんにはオススメです。2015/05/12

kinkin

31
著者である獣医師のもとには、普通の獣医師が扱わないカエルやイモリ、タランチュラまでやってくる。石を飲み込んだアマガエルの手術やカエルのツボカビ病を水虫の薬で治すなど興味深い話が満載。しかし長期間飼われていた動物の最後を看取ったり、安楽死の選択などの苦渋も多いようだ。年間8万匹の犬の殺処分について、「かわいそう」だと言うのであればやみくもに売る店や処分だけを問題視するのではなく、犬を買う側"一般の人"の考え方も見直す必要があると書かれていて共感できた。動物好きにはおすすめの1冊。 2014/03/05

真香@ゆるゆるペース

23
図書館本。田園調布動物病院院長の、田向健一先生の自叙伝&診療日記。基本的に病院に入るサイズならどんな動物でも診るをモットーにしており、犬猫はもちろん、それ以外の多種多様なペット達が千差万別なトラブルを抱えて、毎日全国からこの病院にやって来る。生き物の命の大切さや獣医師という職業の尊さを感じ、飼い主としてどうあるべきなのかを考えずにはいられなかった。田向先生のような神の手を持つ志の高い獣医師がいる、来る者拒まずの動物病院が今後もっと増えてくれたら良いのになと思う… 絶対ニーズは多いはずなので。2018/10/10

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