出版社内容情報
大宅賞受賞第一作!問い続けるベトナム戦争サイゴン陥落から35年。今も仲間の遺体を捜し続ける老カメラマンや、戦争症候群と向き合うジャーナリストたちがいる。彼らが物語る“熱い時代”の叙事詩。
内容説明
戦場ジャーナリストたちの“終わりなき旅”。サイゴン陥落から35年。今も仲間の遺体を捜し続ける老カメラマン、戦争症候群と向き合う特派員たち…。彼らが物語る「熱い時代」の叙事詩大宅賞受賞後第一作。
目次
第1章 異色のジャーナリストたち
第2章 韓国から来た孤高の名カメラマン
第3章 私のロバート・キャパ像
第4章 戦争カメラマンの雑感
第5章 カメラマン・放送記者の仲間たち
第6章 日本人記者群像
第7章 記者たちの戦争症候群
著者等紹介
平敷安常[ヒラシキヤスツネ]
1938年、沖縄県那覇市に生まれる。1965年、大阪の毎日放送カメラマンとして初めてベトナムの土を踏む。翌1966年、毎日放送を退社。米ABC放送サイゴン支局のTVカメラマンとなり、以降1975年のサイゴン陥落までの10年間、ベトナム戦争を取材し続ける。その後、ABCの西独・ボン支局などを経て、ニューヨーク本社勤務。ベイルート市民戦争、イラン革命、湾岸戦争、9・11テロ事件などを取材。1993年、米国籍を取得。2006年、ABCを退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お抹茶
2
著者はベトナム戦争を取材したカメラマン。実体験とジャーナリストの声を届ける。フリーランスには,自分の命や運命を自分の判断に委ねられる一方,挑戦しない限り名誉もお金も入ってこない。ヴァネスの撮影した「アメリカ大使館の屋上から脱出するシーン」は本当はCIAの家族が住む宿舎。戦争当時は,兵士も住民もジャーナリストも枯葉剤の影響を全く知らなかった。早死にする人は多かったが,メデューサの首を見るように戦争を取材してしまう。戦争は,「誰であれ、個人ひとりひとりの運命を変えてしまうすさまじい力の嵐」(友田錫)。2018/05/06
Yasutaka Nishimoto
2
ベトナム戦争の特派員、カメラマン達の回想。前作で溢れた部分を補完しているようで、幅広い視点から見た、ベトナム戦争当時の記憶。そのため、鬼籍に入っている方については、周りから見た行動が書かれている。今まで近藤紘一氏の作品しか読んだことがなかったため、知らなかったこともたくさん書かれているが、そのぶん散漫に感じるところはあった。2021/11/07
sasha
0
「あなたにとってあのベトナム戦争はなんだったのか?」。日本から現地へ飛んだ記者たちは、各自が胸の内にそれぞれの「ベトナム」を抱えて生きていた。2011/06/13
tecchan
0
米ABC放送のTVカメラマンとして長年ベトナム戦争を取材した記者が当時を回想。日本人記者をはじめ、共に戦友として従軍取材した記者・カメラマン達にも改めて取材、当時と現地の状況が生々しく描かれている。ベトナム戦争とは何だったのか、100人を大きく越すジャーナリストの犠牲はどういう意味を持つのか、多くのジャーナリストを取材に駆り立てたものは何だったのか。いろいろと考えさせられた。2021/10/27
Ryan
0
最初は面白く、最後は流し読み。ベトナム戦争がベトナムの人から見てどうだったのか、もっと知りたいと思った。2020/05/10