山科の家―夫・四手井綱英と私の戦中日記

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062165501
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

昭和15年夏、旧家に嫁いだ私を待っていたのは古いしきたり、舅・小姑との壮絶な日々だった

あの天衣無縫の四手井綱英先生の奥様が、これほど正直剛胆とは! 旧弊に負けずに生きる妻、守り抜く夫の姿が胸を打つ――森まゆみ

〔22日〕一仕事終わり、やれやれと火鉢の傍に座ると早速説教。「女はくの字になって慎んで寝るもんや」とか、「女はネに伏しトラに起きいうて4時間寝たらええとしたもんや」。馬鹿言うなと心中で。「女はこのように慎んでいてよく納まる。タキは大体それくらいしか眠らぬ」とか、あの口車を信用して。女は女は、と卑しいもののように言う。――<本文より>

四手井 淑子[シデイ ヨシコ]
著・文・その他

内容説明

行き詰まる日中戦争、世情も暗い中、遠戚の四手井綱英氏と著者との縁談が調う。昭和十五年八月、東京での結婚式の夜、いかめしい顔の舅から言われた言葉「今までと同じつもりではあかんよ」。大学林学科を修了していた磊落の夫は応召中、山科の旧家で新嫁が直面したのは生活の細部にいたる舅・小姑の干渉と村の旧家のしきたりだった。

目次

新生日記―昭和十五年八月十七日より
山科で迎えた終戦、そして戦後―昭和十七年九月以後
夫としての「里山の父」
あとがき
父のノート「我詩」について(長女・船越富士子)

著者等紹介

四手井淑子[シデイヨシコ]
京都生まれ。日本菌学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kokada_jnet

4
赤裸々な家族間バトルを、約70年ぶりに披露した本。 著者は森林生態学者の四手井綱英の妻で、在野のキノコ研究者・エッセイスト。1983年の『きのこ学騒動記―学問と主婦事情』(名作!)以来、学問を始めたい主婦とその周囲の家族との、激しい軋轢を赤裸々にエッセイに描いてきた。 本書はその彼女のルーツ編ということで。昭和15年の新婚当時の夫の実家での、指示が細かすぎる舅や、虚言癖で人格障害の小姑との、「ここまで書いていいの?」壮絶な日々が描かれる。(前年に綱英が死去したので、この本が出たのかも知れない)2014/09/19

ぴろこ

1
学調のお名前を発見し懐かしくて予約した本だけど、学長の奥さんの、舅と小姑との日々の闘い(笑)愚痴日記だった。確かにこんな家イヤやなあ。学長が優しい人で良かったけど。2025/05/29

miou

1
いやー、すごい舅だ。女の服は北向きに干せ。料理が上手にできても調子に乗るから決して褒めない。そして、近所にあることないこと(ないことないこと?)触れ歩く。結婚前は優しかった義姉も大ウソつきですぐ文句を言いに来る…。「渡鬼」のサツキの方がまだましかも。でも、日記には思いのほか強気な文章が綴られ、決して負けていないところがいい。こんなキツイ生活でさぞや体力を削られただろうと思いきや、昨年102歳で亡くなられたそう。それを知って、何となく「良かった」と安心した。2021/05/02

あっちゃんのパパ

0
評価=4:今の日本では考えられないような戦時中の日本の家族の日常が活き活きと綴られている。2018/02/28

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