内容説明
一九七〇年に産声をあげた女性グラビア・ファッション誌は、二〇一〇年で四〇歳になった。その女性誌に先導されて、大きく生き方を変えてきた日本の女性たち。恋愛・仕事・結婚・出産・美貌―女が望むすべてを手に入れて、強く美しく生きる、たとえば黒田知永子、松田聖子や黒木瞳。もちろん、ごくごく普通の女たちも。二一世紀のポスト・モダンガールの生き方を女性誌の変遷を通して分析する。
目次
序章 私萌えの時代
第1章 「何を着るか」と「どう生きるか」
第2章 上昇婚より自分婚
第3章 二五年後の雇用機会均等法
第4章 キャリアと子道具
第5章 一生、「姫」で生きていく
終章 私萌えとはなにか
著者等紹介
米澤泉[ヨネザワイズミ]
1970年、京都府に生まれる。同志社大学文学部卒業。大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得退学。現在、甲南女子大学専任講師。専門はファッション文化論、化粧文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
12
女性誌の歴史をひも解きながら、変遷していく女性である「私」の理想像との向き合い方を分析した一冊。わたしは女性誌をまったく読まない人間なのですが、これは面白かった。分析そのものは明快で分かりやすく、それに対して教条的な批判や皮肉が無いのがとても良いです。女性誌そのものに触れていなくとも、そこから派生した文化には少なからず影響を受けているのだろうな、と自分を顧みて思いました。2014/11/08
ろぶくん
7
ファション雑誌が登場してから最近までの雑誌の内容の変化と女性の生き方の変化を分析した本。男女雇用機会均等法がターニングポイントだと。それにしてもこの数十年でものすごい変わりようだ。それでも女性活躍度合はまだまだ低いわけで、これからもっと変わっていくんだろうな。 2020/11/18
penguin
4
図書館。女性誌の変遷を追うことで見えてくる、生き方の変化についての考察。斎藤美奈子、上野千鶴子、小倉千加子辺りを補完及び反論する部分があり、非常に興味深かった。いつまでも「少女」や「着替人形」でありたいと願い、幾つになっても「私らしさ」を追い求める姿は、費用対効果としてどうなのか?確かに、一つの道ではあるけれど「老い」や「成熟」を排除した先に何が残るのか?とか考えてしましました。私に萌えつつ、成熟もしたい。主だけでなく、場に応じていろんな立場・役割を演じれた方が楽しいかもと思わなくもなくでした(笑)2011/02/22
mimiko
3
ファッション誌から見る、女性のライフスタイルの変遷がわかりやすくまとめられていて興味深い内容だった。モデルをはじめとする登場人物がいかにそれらの象徴となっているかということも読んでいて実感。あとは私萌えな人の家庭の食事が惨憺たる内容であることに警鐘を鳴らすかと思いきや、そんな時間はないんですよとさらりと流していたのが印象的。あくまでもメインは私。私萌えな人は強いわけだわ~。2011/04/29
けーな
2
10年前に出た本なのに、今もあんまり変わらないと思う。とりあえず私は菅野美穂になりたい。2021/12/03