二つの星―横井玉子と佐藤志津 女子美術大学建学への道

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  • サイズ B6判/ページ数 335p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062165037
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

内容説明

女子美術大学には二人の親がいる。生みの親が横井玉子(1854~1903)で、育ての親が佐藤志津(1851~1919)である。二人の親がいなかったなら今日の女子美はなかった。大学にとって二つの星である。女子の美術大学校はこの地球上に二つしかない。ムーア美術大学(アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア)と女子美術大学である。どちらも百年余の歴史と伝統を有する。日本の女子美術大学は年月の重みに耐え、時代の潮流に流されずに厳然として生き残っている。今なお堂々と生命力をたもっている。その源泉と苦難の道のりを描く。

目次

第1章 佐倉と鉄砲洲
第2章 幕末流転
第3章 美校誕生
第4章 本郷の丘

著者等紹介

山崎光夫[ヤマザキミツオ]
1947年、福井市生まれ。1970年、早稲田大学を卒業後、放送作家、雑誌記者を経て作家となる。『安楽処方箋』で第44回小説現代新人賞を受賞。『薮の中の家―芥川自死の謎を解く』で第17回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ふじさん

78
図書館本。幕末から明治維新を女子美大の創設に尽力した二人の女性の波瀾万丈の生涯を描いた作品。横井玉子は、肥後高瀬藩家老を父に持ち、夫は幕末の思想家の横井小楠の養子の左平太、佐藤志津は順天堂二代堂主の佐藤尚中が父で、夫は三代堂主。女子美大の生みの親が横井玉子で、育ての親が佐藤志津。女性の社会進出が難しい時代に、女子美大の創設に挑戦したエネルギーは賞賛に値する。内容は、淡々とした文章で二人の波瀾の人生を綴るが、登場人物は多彩で読んでいても驚きの連続だった。思わぬ拾い物をした感じだ。面白かった。2024/05/16

柳田

15
素晴らしかった。しかしあまり読まれておらず、地味なのだろうか。まさに明治の偉人というか、こういう人が豊かな日本を作ってきたのだなあと思うと感涙極まる。志津も玉子も-特に志津だが-人格も能力も高く、一貫した志がすがすがしい。こういう、強い志をもって世の中をよくしていこうみたいなことって、今は思いにくくなっているのだろうか。横井小楠の実学思想なども実に偉いなあと思ったりする。今では実学って少し即物的なイメージがあるような感じがするし…。女子美の創設はだいぶ後半になる。こういう優れた伝記小説をもっと読みたい。2018/08/15

漢方売り

1
女子美大を創った二人の女性の伝記的小説。女子美と順天堂が密接な関係にあることを初めて知りました。幕末から明治初期の医界の話も垣間見れるので、所々、知ってる話とリンクして面白い。2010/11/12

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