島国チャイニーズ

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島国チャイニーズ

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062163699
  • NDC分類 334.41
  • Cコード C0095

出版社内容情報

練達のノンフィクションライターが緻密な取材で描く、「在日華僑」「来日華僑」たちの、ひたむきで悲喜こもごもな人生模様。「反中」「嫌中」が蔓延する日本に生きる、在日チャイニーズたちのひたむきな人間模様。
名著『コリアン世界の旅』の著者が15年ぶりに描く「在日」の新しい、希望の物語。

「ここで私の立場を明確にしておくと、現在の中国共産党が率いる中国政府の諸政策に、私はきわめて批判的である。一方、在日チャイニーズに対しては、ひとことで言うと『人によりけり』の姿勢で応じている。
中国政府のやることなすことが気に入らないから、中国人というだけで毛嫌いするのは、まっとうな判断力を持った大人の対応ではない。しかし、現在の日本では、そのような大人が目に見えて多くなっている。彼らの劣情を煽って“商売”にしているかのようなマスメディアや言論人も、大手を振るっているありさまである。(中略)
私が二百人を超える在日チャイニーズを取材した結果では、彼らの大半が日本での生活におおむね満足しており、留学生のほぼ全員が、少なくとも来日時には親日か、もしくは好日であった。(中略)こうした彼らの実態が、日本人にはあまりにも知られていないのではないか。(中略)
両者の深い断絶の谷間を、活字の飛礫(つぶて)でいくらかなりとも埋めていこうというのが、本書の最大のねらいであり、私のささやかな希望でもある」(著者 まえがきより)

【目次】
第一章 劇団四季の中国人俳優たち
第二章 日本で大学教授になる中国人
第三章 中国人芥川賞作家の誕生
第四章 留学生は“反日”か
第五章 北国の中国人妻たち
第六章 神戸中華同文学校
第七章 女たちの池袋チャイナタウン

第一章 劇団四季の中国人俳優たち
第二章 日本で大学教授になる中国人
第三章 中国人芥川賞作家の誕生
第四章 留学生は“反日”か
第五章 北国の中国人妻たち
第六章 神戸中華同文学校
第七章 女たちの池袋チャイナタウン


野村 進[ノムラ ススム]
著・文・その他

内容説明

「反中」「嫌中」が蔓延する日本に生きる在日チャイニーズたちのひたむきな人生模様。

目次

第1章 劇団四季の中国人俳優たち
第2章 日本で大学教授になる中国人
第3章 中国人芥川賞作家の誕生
第4章 留学生は“反日”か
第5章 北国の中国人妻たち
第6章 神戸中華同文学校
第7章 女たちの池袋チャイナタウン

著者等紹介

野村進[ノムラススム]
ノンフィクションライター。拓殖大学国際学部教授。1956年東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科中退。アジア・太平洋地域、先端医療、メディア、事件、人物・企業論などを中心に取材・執筆活動を続けている。1997年、『コリアン世界の旅』(講談社文庫)で第19回講談社ノンフィクション賞、第28回大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

358
様々な理由から日本で暮らすことになった中国・台湾系の人々を追うルポルタージュ。祖父の代くらいから日本にいる人たちもいれば、1980年代以降にやってきた新華僑と呼ばれる人たちもいる。第1章は劇団四季の俳優たちである。李濤(男性)と鄭夢秋(女性)という2人のトップスターを通して日中を語る。続く第2章では日本で大学教授を勤める人たち。既に二千数百人いて、アメリカよりも多いそうだ。第3章では日本語を母語としない外国人として初めて芥川賞をとった楊逸。このあたりまでは"陽"の部分。しかし第4章「留学生は”反日”か」⇒2022/06/14

けい子

17
日本で暮す中国の方達の様々な生活。田舎にお嫁に来た方、中華学校に通う子ども達、チャイナタウンで働く女性達。そもそも、中国の方に何故か昔から惹かれる所があり、大学生時、特に仲良しの友人の内訳は「中国の留学生の3人」「日本人2人」と中国人の方が多かったし、10年前に天津市で暮らしていた時もめっちゃ楽しかった。なので、本書はちょっと心が傷む箇所がある上に知らない事も多く恥ずかしかった。2022/06/25

loanmeadime

13
戦後まもなく、小屋に隠れていたところを見つかり、鎌で切り付けてきた日本人の妊婦を扶けて入院させた楊逸さんの母親のエピソード。中国から留学してきた一人っ子の甘えん坊と、"ひきこもり"に象徴される内向きな日本人の若者とが、同じキャンパスにいる、という大学の状況。「日本の男には変態が多い」という東北地方に嫁いだお嫁さん。等々、日本に暮らす中国人の現状が記されます。十年経った現在では意識もまた変わったものになっているかもしれませんが、その方が便利だからと国籍を変える現実主義や言語の取得能力に感心しました。2022/08/25

テキィ

9
日本に住む中国系の人たちについて、私が断片的でしか知らない事を、幅広くまとめた本。著者には感謝したい。国家と人を同一視してはいけないよな。あと、ここ10年そこらでそんなに中国から人が来ていたのかを改めてデータとして見ると驚き。ここらは、地方のニュータウンに隔離されていたら実感できないよな。出張が多いと体感できる。静岡駅前には中華多かった。あと、著者の筆はコリアンの頃に比べ丸くなった気がする。2011/11/06

honey

9
日本に滞在している中国人の生活を追った本。イメージ的に、就労目的・不法滞在・チャイニーズマフィア・犯罪・・・と悪い方ばかり思い浮かんだ中国人だが、この本に出てくるのは違う。劇団四季で頑張る人たち・大学の教授、準教授たち・芥川賞作家・花嫁・・・真面目に堅実に生きている中国人たちにスポットをあてていた。 ニュースにはならない、無名の頑張る中国人の姿。考えてみれば、そういう人の方が多いのだということに改めて気づかせてくれた。在外日本人だって、悪いことする人もたくさんいるんだから。2011/10/20

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