内容説明
陰陽道・呪術・神楽・易い・霊学など、「シャーマニズム」とも呼ばれる、死者や異界と交信するための“知”と“技”の体系を、聖徳太子や安倍晴明、異界遍歴の物語、さらに柳田国男や宮沢賢治など近現代の作家に探求し、日本文化の多様性を再発見する。今回、シャーマニズムの視点から「日本神話」を読む章を追補。
目次
第1章 シャーマニズムとは何か―エリアーデからネオ・シャーマニズムへ
第2章 「日本神話」のシャーマニズム
第3章 史書とシャーマン
第4章 古代朝廷とシャーマニズム
第5章 憑依するアマテラス
第6章 異界遍歴―夢見とイニシエーション
第7章 『源氏物語』のスピリチュアリティ―描かれた霊異
第8章 死者の語り―シャーマニズムと鎮魂
第9章 柳田国男「妹の力」とシャーマニズム
第10章 成巫譚
第11章 近現代文学とシャーマニズム
著者等紹介
岡部隆志[オカベタカシ]
1949年生まれ。共立女子短期大学教授。専攻=古代文学・近現代文学・中国少数民族文化
斎藤英喜[サイトウヒデキ]
1955年生まれ。佛教大学教授。専攻=宗教文化
津田博幸[ツダヒロユキ]
1957年生まれ。和光大学教授。専攻=日本古代の言語表現をめぐる諸問題
武田比呂男[タケダヒロオ]
1959年生まれ。十文字学園女子大学短期大学部教授。専攻=古代文学・民俗学・口承文芸(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
8
「エリアーデの『シャーマニズム』…は、上下巻900頁に及ぶ大著である。現在のシャーマニズム研究に大きな影響を与えた名著とされるが…近年は多くの批判に晒されている。その批判点は、エリアーデがシベリア、中央アジアを中心とした…「脱魂型」のシャーマンを重視するあまり、他の地域に見られる「憑依型」のシャーマニズムの形態を、二次的な派生物として軽くあつかったところ…批判の急先鋒は、社会人類学者I・M・ルイスの『エクスタシーの人類学』である。エリアーデは…「社会学的分析にはほとんどスペースを割いていない」という」2021/02/08
しんさん
4
アマテラスも聖徳太子も光源氏も、みなシャーマン。2024/09/29