内容説明
自らを逆賊の子孫と語り、北方貿易で国を富ませ、戦につぐ戦で羽州に本格的な戦国大名の名乗りを上げた安東愛季。この男がいたから羽州の民は生かされた。知れば知るほど魅力に溢れる男を奥州の視点で捉えたもう一つの戦国絵巻。北斗七星にたとえられた武将を描く、感動の超大作。
著者等紹介
金重明[キムチュンミョン]
1956年、東京都生まれ。東京大学、大阪外国語大学朝鮮語学科中退。’97年に『算学武芸帳』で第8回朝日新人文学賞、受賞。また、’06年に『抗蒙の丘‐三別抄耽羅戦記』で第30回歴史文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スー
18
27安東愛季は信長の野望で知ってはいたけど詳しくは知らないし戦国時代の東北をもっと知りたくて購入しました。安東家は蝦夷の血をひく古い一族でかつては青森の十三湊を支配し栄えたが南部家に奪われ小国となり何とか生き延びていた。家督を継いだ愛季は交易で力を蓄え鉄砲を早くから入手し織田信長と手を結び少しづつ勢力を伸ばして行く。なかなか面白いのに話が一気に進んでしまい残念に感じました。もっと掘り下げて書いてくれたらもっと面白くなったと思う。少し残念2023/03/18
Yukihiro Nishino
9
東北・出羽の戦国武将「安東愛季」の物語。一般的にはマイナーな武将で、私も知らなかったのだが、非常に優秀な武将であったようだ。作者もよくこんな武将に目を付けたものだ。大変よくできた作品で面白かったのだが、もう少しボリュームがあってもよかったのではと思う。2017/07/13
maito/まいと
7
題材はすばらしいが、内容をもう少し盛り込んで欲しかった1冊。特に愛季の成長が中盤以降でいっぺんに進んでしまい唐突な印象が目に付く。最上・南部など周辺大名との関係も掘り下げて欲しかった。交易を通じた先見性やアイヌなどの異民族との交流など、非常に魅力的なコンテンツが詰まっていただけに、もったいない。続編や改訂版でないかなあ。2010/08/29
Ryuji
5
★★★★☆北東北の戦国武将(大名)安東愛季が主人公の作品。これまで戦国武将の小説はかなり読みましたが、その中でも一二を争う位マイナーな人物。内容は非常に良かったのですが、他の方のコメントにもあるとおりストーリー展開が早すぎる。上下巻くらいになってもよいのでもっとじっくりと読みたかった。2013/05/07
BIN
3
秋田の戦国大名、安東愛季を描いた作品。よくぞ、こんなマイナー?な武将を書いてくれたものだと思うのだが、いきなり5年、10年とか経つのでポイントのところしか書かれていない。蝦夷や黒河などの国際交易で財を成し、鉄砲を取り入れるなど先見性に満ちた魅力ある武将でした。2013/04/21