内容説明
年間4万種の生物が地球上から絶滅している。北極から南極まで世界各地を取材した生物ジャーナリストが、人間による環境破壊とその人間との共存に苦悩する野生動物たちの実像に迫る。
目次
南極のゴミ山のペンギンたち
喜望峰でヒヒが人間を襲う
最後の恐竜コモドドラゴンの苦境
日本の昆虫ブームが児童労働と環境破壊を生む
北極から海氷とシロクマが消える日
大仏様を悩ませる隣国のリス
オットセイの命を奪う悲しきネックレス
最後の楽園ガラパゴスの憂鬱
マダガスカルから森がなくなる
体内汚染が進むクジラが危ない〔ほか〕
著者等紹介
藤原幸一[フジワラコウイチ]
写真家/生物ジャーナリスト。ネイチャーズ・プラネット代表。ガラパゴス自然保護基金代表。秋田県生まれ。日本とオーストラリアの大学で生物学を勉強し、その後、野生生物の生きざまや環境破壊に視点をおいた写真家として、南極、北極、アフリカ、熱帯アジア、オセアニア、南米などの取材を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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クリママ
46
図書館で何げなく手に取り、ページを開いて驚く。がれきの山の中にペンギンがいる。表紙を見返してみれば、「生物多様性の危機をさけぶ動物たち」と記されていた。ペンギンは真っ白な氷原に暮らしていると思っていた。このガレキの山は、各国の南極観測隊の残して行ったゴミ、閉鎖された基地とのこと。昆虫、コモドドラゴン、アザラシ、クジラなど多くの生物が、人間のせいで生きていけなくなっている。昭和生まれの私にはもう十分、もっと快適、便利になる必要など感じない。地球をこんなにしてまで、人は何を求めているのだろう。2019/07/07
kinkin
29
生物多様性や地球温暖化防止、環境保護そんな言葉を唱えても動物たちにはまったく関係ない。日々住む場所を追いやられ絶滅の道を歩んでいる。ゴミの山に住む南極のペンギン、氷が減少して行き場のない北極グマ、観光客の増加で多くの弊害が発生しているガラパゴスなど。どの章を読んでも静かな動物たちの訴えが聞こえてくるようだ。本来仲間と生活するべき一頭のサル、名前はロメオ。人間の都合で捨てられ保護施設に収容されているが仲間もいないので吠えることも出来ずエアコンの音を子守歌代わりに眠っている姿は悲しくも印象的だった。2014/03/30
ヒラP@ehon.gohon
24
人間の環境破壊行為があらゆる生物にもたらしている絶滅の危機を、多くの事例を通して訴えている衝撃的な本です。 環境問題の動物たちへの影響を、多くの写真絵本を通して問題提起している藤原幸一さんの著作だけに、凝縮感のある著作です。 どの章を見ても、自分たちの愚かさを感じさせられます。 やがて自分たちの身にふりかかってくる、地球の仕返しも実感させられました。2023/03/04
きょちょ
21
人間の営みの中の、実に愚かで恥ずかしい部分、それらの結果起きている地球の現状を写真で明らかにしている本。 南極のごみの山で暮らすペンギン、商ビジネスの犠牲となったカブトムシ・クワガタ・蝶、消えゆくサンゴ礁、など痛ましい限りだ。 深刻なのは、地球温暖化とごみ処理で、これらは喫緊の課題だろう。 紫外線もかなりやばいよ。 1人1人が、日常生活の中のちょっとした工夫でできることもある。 鳩〇のように、できもしないことを国際会議で発言するのは、同じ日本人として赤面の至りだが、国や団体での対策強化は必須。 ★★★★2019/09/17
けんとまん1007
7
かつて、この地球に人間がいなくなれば、安全になると聞いたことがあるのを思い出した。地球を一番食い物にしているのは人間であると思う。この本を読むと、そんな気持ちが強くならざるを得ない。目の前の今しか考えなくなっている人たちが増えているのだと思う。もちろん、人間にはそれを何とかしようとして、頑張る力もあると信じてもいる。とにかく、今を知るための貴重な1冊である。ここから、何を感じるのかは、そえぞれの課題だろう。2011/05/24
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