凍裂

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062159869
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

決して表面化しない社会の悲劇を抉る衝撃作。
貞淑な妻が、善良な夫を刺したー。父が母を、息子が嫁に、姉が義兄を。相反する周囲の想いが、家族の真実を浮かび上がらせる。注目女流作家の渾身書き下ろし!

内容説明

美人料理研究家・水原睦子(50歳)が、義父の通夜の後、夫・勝一(57歳)を包丁で刺し殺そうとした。ショッキングなニュースが社会面を賑わせる睦子を知る人物は首を傾げるが、彼女は容疑を認めている。いったい水原家に何が起きていたのか。根深く広がる問題「モラル・ハラスメント」をテーマにすえた、社会派家族小説。

著者等紹介

喜多由布子[キタユウコ]
1960年、北海道生まれ。札幌在住。2004年、「帰っておいで」で第25回らいらっく文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

79
義父の葬儀が終わったあと、美人料理研究家睦子が夫を刺す。誰に聞いても(やっかみは別として)非の打ち所のない女性という。何故に彼女は夫を刺したのか…彼女は理由を語らない。各章で夫の同僚、刑事、長女…いろんな人が彼女と夫そして事件について語ることで、目に見えなかった真実が明らかとなってくる。暴力と違いモラハラは表立ってわからないし証拠も残しにくい。怖いのは、やっている方は全く罪の意識がないことである。それにしても睦子があまりにもいい人完璧すぎてちょっと…でも夫は最悪。う~んムカムカする。2018/06/01

えりこんぐ

74
初読み作家さん。とにかく刺された旦那と姑が最悪すぎ! イライライラー(-_-) なんで一緒にいるのかな。でもわかる..睦子ほど人格者でないけど私も言えない人だから。モラハラって証拠がないから厄介。うちの旦那もワガママだけど正常の範囲内?でよかった(^^;) 物語の展開は好みだけど、どこか会話文がぎこちないのと、最後にもう一つ驚きが欲しかったかな、と。2018/06/04

ごみごみ

61
静かにじわじわ迫りくる恐怖。真面目で優しく正直な女性、主婦の鏡。誰に聞いても評判がいい妻が夫に傷を負わせた。なぜあの人が?加害者となった妻から語られない動機を探るうちに浮かび上がる夫婦の側面・・どんなに幸せな家庭に見えても、悩みや苦しみってあるんだろうけど、これはひどかった。凍裂ーーこの題名と装丁のように、氷のように悲しくも一瞬で裂けてしまった心。そりゃあこのエピローグ&ラストに行き着くでしょうね。2020/11/08

おかだ

58
喜多由布子さん初読み。非常におもしろかった。誰からも愛される素晴らしい女性が夫を刺し殺そうとした。動機は黙秘。彼女に一体何があったのか…。姑が出てきた瞬間から、なるほどこれは睦子さん可哀想…と直感的に思ってしまう。こういったケースは昔からあるのだろうが、女性は虐げられる日々から抜け出せないのだろうか。どんなに辛くても別れられないのは子供がいた為か。何かもっと抵抗する術は無かったのか…。最終的には良い方向に進んで、良かった…のか?本当にこれで終われるのだろうか。陰湿で執念深そう。睦子さん、どうか逃げきって。2018/01/25

RIN

33
Amazonさんのおススメで、購入したまま積んであった初めての作家さん。でもこの作家さん、悲しいことに2冊で既に若くしてお亡くなりになられてるとのこと。そのことを踏まえて読み始めた。静かで先がとても気になる作品。『モラハラ』という言葉はまだあんまり浸透されてない分野。『自己愛性人格障害』と診断されるんだと始めて知った。 普通にこんな考えの人達っていそうで怖い。我が家は大丈夫?等々考えたりもした。でも正直こんな姑さんや夫。。嫌だ!私なら言い返しちゃう。それさえ上回る攻撃なんだろうな、、、恐ろしい。2019/10/11

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