内容説明
ベトナムでは、先輩作家・船戸与一の希少な手がかりをもとにジャングルにすむ謎の猿人「フイハイ」を追う。奄美では、いまなお信じられる妖怪「ケンモン」の驚くべき正体に迫る。アフガニスタンでは、タリバン(?)の根城を横目に通り過ぎ、米兵から銃を向けられてもひるまず、ひたすら凶獣「ペシャクパラング」探しに奔走。単なる無謀かじつは用意周到か、ユーモアとスリル満点の探索行。
目次
ベトナムの猿人「フイハイ」
奄美の妖怪「ケンモン」
アフガニスタンの凶獣「ペシャクパラング」
著者等紹介
高野秀行[タカノヒデユキ]
1966年東京八王子生まれ。早稲田大学探検部当時執筆した『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。タイ国立チェンマイ大学講師を経て、辺境作家になる。2006年、『ワセダ三畳青春記』で第1回酒呑み書店員大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
57
UMAを求めて世界中あちこち。 ベトナムのフイハイ、奄美のケンモン、アフガニスタンのペシャクパラング 治安が悪いところも何のその2024/05/24
イトノコ
22
図書館員。ベトナムの猿人、奄美の妖怪、アフガニスタンの人喰い獣…アジアのマイナーなUMAを求めて、著者は世界各地を巡る。/結論から言うと著者はそのどれも発見できないのだが、前のふたつ(フイハイとケンムン)はUMAと言うより妖怪、民間伝承なので致し方なし。しかしケンムンの項にある、「怪現象がすなわちケンムンだ」と言うのは京極さんが著者の中で言っていた「妖怪は現象である」と奇しくも一致している。そこにまだ具体的なカタチは与えられてないのだろうな。アフガニスタンの項も、現地の人々の描写含めてとても興味深い。2022/01/06
アーちゃん
20
図書館本。今回はベトナムのフイハイ、奄美のケンモン、アフガニスタンのペシャクパラングを探しに行くのですが、全体的に「ムベンベ」や「怪獣記」と比べるとパワーダウンしている感は否めない。UMA探しというよりは旅行記自体の方が面白く、特にアフガニスタンは著者も初めてのところだからか、前章の奄美と滞在期間が同じながら倍のページを割いて書いてあり、また一番面白かったです。途中米軍陰謀説が出てくるのですが、これこそ「ムー」じゃないでしょうか(笑)2016/09/13
三柴ゆよし
18
未知動物(UMA)との出会いを求めて、ベトナム、奄美、アフガニスタンを駆けめぐる珍紀行。特に「凶獣ペシャクパラング」編では、いまはなき学研『ムー』の付録に掲載された謎の写真をたよりに、危険度レッドのアフガニスタンを訪れるという著者の蛮勇が炸裂し、この人は真正のバカなんだな……と妙に腑に落ちる思いだったが、そういえばあのアフリカ絶叫紀行『コンゴ・ジャーニー』の著者オハンロンも同タイプのバカだったよなと、そちらも読み返したくなった。行く先々のUMA界隈(?)で、いずれも米軍がその影を落としているのも興味深い。2012/11/10
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
14
カメラマンの森清氏を引き連れて、ベトナムの猿人・フイハイ、奄美の妖怪・ケンモン、アフガニスタンの凶獣・ペシャクパラングを探し求めた旅の様子を1冊の本にまとめたノンフィクション。こんなにぶっ飛んだ冒険談を読んだのは初めて!ベトナムや奄美はまだしも、外務省指定「危険度4=退避勧告」の地域に入っているアフガニスタンに、わざわざUMA探しの為だけに危険を冒してまで行くなんて、とてもじゃないけど正気の沙汰とは思えません!それを実行させる好奇心ってある意味何よりも恐ろしいですね。他の著書も読んでみたいです。★★★★2011/04/10