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二つの月の記憶

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  • サイズ B6判/ページ数 98p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062143998
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

病に倒れる直前まで「メフィスト」誌上に連載していた七つの珠玉の掌編を収録。少しの毒のあるユーモアと不思議な愛とエロス。

著者等紹介

岸田今日子[キシダキョウコ]
1930年、東京都に生まれる。文学座、劇団「雲」を経て、1975年に演劇集団「円」の設立に参加。1950年、初舞台「キティ颱風」以来、「サロメ」「夏の夜の夢」「おばけリンゴ」「欲望という名の電車」「卒塔婆小町」「オリュウノオバ物語」など数多くの舞台に立つ。1999年の「猫町」「遠い日々の人」で紀伊國屋演劇賞個人賞、第七回読売演劇大賞女優賞受賞。2002年の「ブラインド・タッチ」で第十回読売演劇大賞女優賞受賞。また、映画、テレビドラマにも数多く出演し、1962年、「破戒」「秋刀魚の味」「忍びの者」で第十七回毎日映画コンクール女優助演賞、「破戒」「秋刀魚の味」で第十三回ブルーリボン賞女優助演賞受賞。1996年、「学校の怪談2」「八つ墓村」で第三十九回ブルーリボン賞女優助演賞受賞。アニメ「ムーミン」の声でも有名。ナレーションや朗読などの世界でも活躍した。『妄想の森』で、1998年度日本エッセイストクラブ賞を受賞。2006年、12月17日没。享年七十六歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

97
夜のお話ばかり。エロティックで幻想的。岸田今日子さんそのものだなと変に納得する短編集だった。夜中抜け出してオートバイの後ろに乗るおばあちゃんやいつからか仮面ライダーの悪者になった幼馴染みはまだほほえましい。「K村やすらぎの里」からは大人として充分楽しんだ。妄想が生んだ犯罪はまるで誰もが知っているあの狙撃事件のようだし、猪に魅せられる雌豚は女そのもの。性同一性障害の女の子と男性性器嫌悪症のカメラマンの恋や時を越えた自身を見つめる女優の話は初めての世界を目の前にしたようだたった。少し怖い挿画も本に合っている。2016/08/22

あじ

57
女優岸田今日子の個性的な掌編を、じっくりと堪能できる作品集です。幻想と怪奇と現実を自在に操り描かれる世界観は、実に独特な心地よさがあり暇を告げるのが惜しくなりました。小泉今日子さんがお好きだと仰っていた一編「オートバイ」は、私もお気に入りです。お茶目な岸田さんがウィンクを投げかけてくる、そんな可愛らしいオチでした。次も小泉さんのお薦めで、岸田さんとお姉様の共著を読みたいと思っています。2016/01/31

skellig@topsy-turvy

30
ふらっと、常識と理性の世界から転落して見える景色。徹底的なすれ違いに氷めいた悲哀と滑稽味を感じた「逆光の中の樹」、静かに外れ続ける歯車のような愛を描いた表題作が特に印象深かった。2013/11/14

タカギ

29
岸田今日子さんの最後の本。掌編が7つ。ノスタルジックで残酷で震える。全部良い。佐野洋子さんによるあまりに素晴らしい本の帯──<かけがえのない快楽には少しの毒のあるユーモアと不思議な愛とエロスが必要です。今日子さんをそのまま食べて下さい。>お二人に交流があったことは『妄想の森』でも少し書かれている。岸田さんの創作の源は何だったのか、とても知りたい。ぼんやり妄想に耽って、よく眠る人だったことは、やっぱり『妄想の森』で知ったけれど。2019/12/02

wonderhoney

25
不思議な世界に迷い込んでしまうような短編集。オオカミの物語と、最後の女優の物語がグっとひかれた。サラっと読むにはもったいない。でも深く考えながら読んでも面白みがなさそう。。な、気がした。2018/06/19

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