内容説明
ラシャメンから下働きに落とされた希沙は、ただ一人、優しい言葉をかけてくれた加世とともに、英国人貿易商ウエルズの家に、岩亀楼から派遣された。が、遊郭も居留地も焼き尽くした豚屋火事で焼き出され、清国人の周とともに神戸に移った。時を経て横浜に戻った希沙は、またも運命に翻弄される。かつて、希沙をどん底に陥れた張本人は誰だったのか。希沙に平安は訪れるのか。百五十年前の横浜を生きた女・希沙の半生を描く。
著者等紹介
山崎洋子[ヤマザキヨウコ]
1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がけ、また2009年の横浜開港150周年に向けてのさまざまなプロジェクトにも関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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