内容説明
日常をおおう灰色の倦怠を執拗に描きながら、なぜ物語は底深い静謐な光で読者をいざなうのか?滋味と陰影に富む九つの短篇。
著者等紹介
岩阪恵子[イワサカケイコ]
1946年、大阪市生まれ。関西学院大学史学科卒。86年、『ミモザの林を』で、第8回野間文芸新人賞。92年、『画家小出楢重の肖像』で、第20回平林たい子文学賞。93年、『淀川にちかい町から』で、第44回芸術選奨文部大臣賞と第4回紫式部賞。2000年、『雨のち雨?』で第2期第1回川端康成文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SAT(M)
9
ゴミを処分するための穴を庭に掘る、結婚指輪がゆるくなってくる、台所の排水溝からどぶ臭いにおいがする…、日常の瑣末な出来事を突端に、えもわれぬ微妙な家族関係が語られる…。中高年の(主に)主婦の日常を私小説にしたような作品を集めた短編集。夫をはじめとする家族に対しては、負の感情を抱いているものの、決して決定的な崩壊に繋がるものではなく、故にアクションを起こすことも無く、ひたすらに「今のまま」を受け入れるようなスタンスに見受けられます。この主人公達は一生このままなんだろうな。2018/04/29
takao
4
ふむ2024/04/29
猫のゆり
2
中年から初老にかけての、夫と死別したり離婚して一人だったり最初から独身だったり、夫といても心がすれ違っていたりする女たちの、日常の一こまを切り取った短篇が9篇。どれも似たようなトーンで、倦怠とか嫉妬とか焦りとか孤独とかといったものを奥底に秘めていそうなんだけれど、意外にカラっと明るい読後感を残す。こんな風に年をとっていけたらいいんじゃないかな。2009/04/09
Kenichi Sakamoto
1
タイトルと表紙のデザインに惹かれてよみました。40~60代の女性の孤独や焦燥感を様々な場面を題材にして書いた何とも言えない短編集です。う~ん。。。2014/01/22
遠い日
0
060501【読書ノート/ひとことメモ】古くさい女流文学。おもしろくない。2006/05/01