内容説明
えいえいえい。鰯あっての、元禄の世。お犬様が闊歩した華やかな時代を支えていたのは、鰯の大豊漁だった。干鰯(ほしか)問屋の用心棒・半九郎が、美貌の女主人を助けながら大活躍!注目の新・時代小説。
著者等紹介
長辻象平[ナガツジショウヘイ]
1948年、鹿児島県出身。京都大学農学部卒。専攻は魚類生態学。科学ジャーナリストのかたわら、釣魚史研究家としても著名
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
50
時代は元禄15年。前年に松の廊下の騒動があり、生類憐れみの令に庶民が疲弊していたこの時代は、じつは好景気だった。好景気を支えたのは十数年続く九十九里浜沖での鰯の豊漁。食材としてはもちろん、魚油として安価な灯油になり、稲田の害虫除けをはじめ、農家では貴重な肥料となった。たとえば干鰯によって綿花の収穫が飛躍的に伸び、綿布の普及に繋がったという。その干鰯問屋武蔵屋に用心棒として働く浪人笹森半九郎の1年を描く物語。江戸の鰯情報は面白かったけれど、残念なことに物語の盛り上がりはイマイチでした。2025/08/29
こばまり
40
読友様のレビューで気になり検索したらば、積読しているノンフィクションの訳者であった。それも納得、釣魚史研究家でもある由。個性豊かな面々が織りなすエンタテインメントでありながら、江戸の鰯文化も知ることができて満足。2024/06/01
藤枝梅安
5
◆著者は魚類生態学を専攻し、釣魚史研究家として有名な人である。 この本でも江戸時代の鰯漁、鰯の流通、鰯の経済効果について多くの記述がなされている。 主な登場人物は3人の侍である。津軽藩浪人・笹森半九郎、 深川佐賀町の鰯問屋・武蔵屋の用心棒をしている。住まいは深川諸町。 ある日、武蔵屋の干鰯置き場に現れた一人の浪人が、地面にこぼれていた干鰯を拾って 食べようとしているところを武蔵屋の男衆が見咎め、懲らしめる。 この浪人は吉田沢右衛門と名乗るが、生国は明かさない。2009/07/25
カムラ
4
タイトルに惹かれてつい図書館で手が伸びた。元禄、1702-03年が舞台で、時代考証もしっかりしている感じでとても安心して読めた。江戸時代の鰯がこんなに活躍していた存在だったんだ…!と勉強になったのも嬉しい。描写や表現にあまり癖がなく読みやすくて心地よい文章。ヒロイン以登はちょっとよく分からない部分があったけど、作者さんが随分入れ込んで描写に凝ってる印象を受けた。私が読んだ本はクライマックス部分が乱丁本だった。ページ揃っててよかった。落丁していたら抜けた分が気になって本屋や古本屋に出かけていたかもしれない。2024/12/19
ばな
4
ってどんな侍?とタイトルに魅かれて手に取りました。 いわし偉いぞ!すごいな鰯。そりゃ、猫も油なめたくなるよね。 元禄、綱吉、といくれば、やっぱり出たかよ忠臣蔵でしたが、程よく筆をとどめていたので好感が持てました。2011/09/26
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