猫舌男爵

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062123273
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

棘のある舌を持った残虐冷酷な男爵が清純な乙女を苛む物語。

著者等紹介

皆川博子[ミナガワヒロコ]
1930年京城市生まれ。東京女子大学外国語科中退。児童小説でデビューし、73年「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞、85年「壁―旅芝居殺人事件」で第38回日本推理作家協会賞長編賞、86年「恋紅」で第95回直木賞、90年「薔薇忌」で第3回柴田錬三郎賞、98年「死の泉」で第32回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。ミステリーから幻想小説、時代小説など幅広いジャンルにわたり活躍を続ける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

60
表題作の「猫舌男爵」はコメディタッチの異色作。この作品を読んでみて、日本語って難しいんだなぁとしみじみ思いました。「水葬楽」「睡蓮」「太陽馬」は皆川ワールド全開。特に好きなのは「水葬楽」。タイトルからして美しい。ラストを飾る「太陽馬」は私には難解でした。でもこの難解な部分が皆川作品の魅力でもあって、もう一度最初から読み直したいです。2015/01/20

文庫フリーク@灯れ松明の火

57
表題作『猫舌男爵』に頭の芯がくらくら。皆川さん読む時は酩酊感覚悟して読むのですが、これまでとは別の種類のくらくら。予想外の皆川さんユーモア?ジョーク?物語。ブラックではないのに、頭の中を弄ばれて掻き回されたようなくらくら感。『水葬楽』の人工えら、Y字体の双生児はいつもの皆川ワールド。『太陽馬』コサックの朗読する指絃の者の物語。個人的にはそちらをもっと読みたかった。可愛い表紙に、むしろ警戒していたのに表題作にやられました。2011/06/30

鱒子

46
図書館本。表題作「猫舌男爵」滑稽譚。すっかり表紙に騙されてしまいました(^^) 「睡蓮」カミーユ・クローデルがモデルということらしく納得。ロダンを模した人物の名がジークムントなので、フロイトが頭に浮かびちょっと混乱(^^;; 「太陽馬」一読では分からないところが多かったので、これのみ2回読みました。骨太です。圧倒されました。やっぱり皆川博子さんはすごいです。2017/07/31

藤月はな(灯れ松明の火)

35
読者を眩惑的な世界へと曳きづり降ろす皆川博子作品でまさか笑わされるとは思いもよりませんでした(笑)「水葬楽」の侏儒から語られる過程に人間の生理に思わず、苦笑してしまいました。「猫舌男爵」は書簡と会話のみで構成されるある意味、頓珍漢な発想と受け答えに頭を捻りました。そしてミステリー評論では有名な日下三蔵氏と千街晶之氏の登場には驚きました。個人的には享楽的に見えて実は欺瞞の現実に対し、鬱屈した感情を抱いている少年を描いた「オムレツ少年の儀式」と変質的な狂気から純粋なるものへと昇華した「睡蓮」が好きです。2011/07/11

Mishima

27
「水葬楽」「猫舌男爵」「オムレツ少年の儀式」「睡蓮」「太陽馬」収録。運命に翻弄される人々。寓意がちりばめられた、残酷と滑稽の共演。秀逸はカミーユ・クローデルをモデルに描かれた「睡蓮」。書簡と日記から横溢する様々な感情。結びの文言はことのほか残忍性が際立つ。表紙の猫(舌)男爵が魅力的。書中には登場せず、嗚呼、残念。2015/06/20

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