内容説明
退捕官僚の慟哭…国民の皆さまごめんなさい!!自らも溺れた“甘き蜜”の病巣はいまだ取り除かれていない。伏魔殿のすべてを知る「汚れ役」が25年間の実体験を総告白。
目次
第1章 「公僕」の名が泣く外務省キャリアの生態
第2章 国益を忘れた大使館の日常
第3章 誰の為の国際行事なのか
第4章 狂乱のサミット
第5章 伏魔殿の蜜を吸う国会議員
第6章 葬られた“汚れ役”たち
第7章 かくしてキャリアは生き残る
著者等紹介
小林祐武[コバヤシヒロム]
1955年、東京生まれ。74年3月に都立高校を卒業し、同年12月に国家公務員採用試験初級職合格。翌75年1月に外務省入省。アメリカ局北米第二課を皮切りに、在ノルウェー日本大使館、在アラブ首長国連邦日本大使館、情報文化局海外広報課、欧亜局大洋州課、在タイ日本大使館、経済局国際機関第一課、経済局総務参事官室などで勤務する。この間、APEC大阪会議(95年)や九州・沖縄サミット(2000年)の準備事務局でも活躍し、ロジスティックスの専門家として辣腕を振るうが、2001年7月、九州・沖縄サミットの経費を詐取したとして警視庁により逮捕され、翌年、懲役2年6ヵ月、執行猶予5年の有罪判決を受ける。その後、紆余曲折を経て、2003年8月に日本ポリグル入社。現在、同社取締役国際部長
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感想・レビュー
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AICHAN
36
図書館本。タイトルに惹かれて借りた。プール金の発覚によって逮捕された元外務省職員の懺悔録。外務省という伏魔殿の内幕も暴露している。外務省に2世、3世が多いのは外務省独自の選考によるため、外務省内の男女関係は乱れていてアルバイト嬢を愛人にする、外務機密費は政府に上納されている、在外公館には無駄な部屋・施設がいっぱい、在外公館にもプール金がある、プール金はどの省庁にもある、サミットでは金使い放題、国会議員の中にはタイで少女買春するやつもいる…等々。呆れた。彼らに倫理観はないようだ。2019/04/17
James Hayashi
28
外務省の裏話しが覗け面白いが、ザルの様な会計や機密費と呼ばれる裏金、プール金、タクシークーポンの仕組み、また外国からのビジターをもてなす為、高級ワインを仕入れるが、職員が試飲してしまうなどの暴露本でもある。数名が逮捕という形で吊るし上げられているが、こういったものは組織ぐるみであろう。外交において突発的な機密費が必要なことはわかるが、なんとか後処理出来ないもんか。懐を肥やす輩は逮捕されて当然である。2019/03/07
香菜子(かなこ・Kanako)
6
元外務省職員で横領事件に関与した著者が外務省の内部事情を語ったもの。著者は外務省には家族が外交官であった「2世、3世」の職員が多くて、それが問題のつながっているような結論を導いているけれど、「2世、3世」の職員が多いのはどの組織でも当たり前。親の仕事や職業に憧れて、子供も同じ仕事や職業につく、それは自然なこと。「2世、3世」が非常識で視野が狭いというのは傲慢な決めつけではないでしょうか。2017/08/11
Hiroshi Ono
4
外務省機密費流用事件の主犯松尾の部下であった元外務省ノンキャリ著の「石つぶて」のスピンオフのようなノンフィクション。タイトルのみならず内容も実に素晴らしい本だ!本書を読めば税金などびた一文払うものか!と思わせるに十分な内容である。事件発覚はこの外務省だが、”まえがき”に少し記載があるように、その後も今も、他の省庁も同じことをしているのに摘発され我々は”被害者”だとか嘯いているのだろう。金遣いも含め「お役所仕事」とは良く言ったものだ。事件後も今も何も変わらない。消費税率引き上げなど糞食らえだ。☆☆★★★2017/11/25
夕張西瓜
3
元外務省職員、公金詐取で有罪判決を受けた著者の暴露本のような内容でした。話半分に読みつつも、大使館勤務や国際会議に関わるロジスティックといった外務省のノンキャリア職員の仕事を初めて知ることができ、面白かったです。2016/06/30