内容説明
世界で唯一の「天皇王朝」、最古最長のその永続性の謎を解き明かす。「天皇女帝論」「天皇家存続の危機」も考察。日本研究第一人者の渾身のライフワーク。
目次
第1章 天皇家長期存続の謎
第2章 女性統治者の出現
第3章 女帝全盛期
第4章 非力で女性的な天皇像
第5章 尊崇される「篭の鳥」
第6章 近代的父性像の構築
第7章 天皇の神格化と、その限界
第8章 謎多き武人天皇
第9章 母性的君主への回帰
第10章 天皇家存続の危機
著者等紹介
シロニー,ベン=アミー[シロニー,ベンアミー][Shillony,Ben‐Ami]
1937年ポーランドに生まれる。歴史学者。イスラエルのヘブライ大学を卒業後、新聞記者をしながら「広島、長崎に投下された原爆への一考察」で学位を取得する。67年から国際基督教大学に留学した後、米プリンストン大学で博士号を取得。帰国後、ヘブライ大学東洋学部教授となり、毎年五〇〇人を超える学生たちに日本の歴史と文化を講義し、トルーマン平和研究所所長を兼務する。91年に米ハーバード大学で客員教授。2000年、勲二等瑞宝章受章
大谷堅志郎[オオタニケンシロウ]
1935年生まれ。翻訳家。東京大学教養学科を卒業後、NHKに入社。教養番組プロデューサーを経て、海外放送事情の調査研究に長年携わり、89年、フランス共和国芸術文芸勲章を受章
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感想・レビュー
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mustache
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明治、大正、昭和の半ばまで、天皇は女性のような着物を身にまとい、眉を剃り、お歯黒をしていた。僅かな例外(後醍醐天皇のような)を除き、天皇は権力争いから超越し、和歌や文芸に励む文化的存在であり、同時に母性的な存在だった。星一が『日本はお母さんが創った国であって、日本以外はお父さんが造った国である』と述べたのは、そのような感覚を国民ももっていたことの表れである。日本の天皇制が、もちろんフィクションであれ「万世一系」を誇るほど続く理由を、その母性的性格に求める、外国人研究者による天皇制通史。一読の価値あり。2015/09/02
そーだ
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大谷堅志郎訳。2010/08/03