炎の秘密

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  • サイズ B6判/ページ数 211p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062109963
  • NDC分類 K949
  • Cコード C8097

出版社内容情報

地雷さえ奪えなかった少女の魂。感動の実話世界の最貧国の一つモザンビーク。内戦下で家を焼かれ、父を殺された少女ソフィア。彼女もまた地雷を踏んで両足をもぎとられる。実話をもとに描かれる不屈の物語   小学上級から

内容説明

アフリカの美しい小さな国モザンビーク。打ち続く内戦で、家を焼かれ、父を殺されたソフィアは、ようやくたどりついた村で「地雷」を踏み、最愛の姉マリアは死に、じぶんも両足をもぎとられる。耐えがたい痛み、家族と引き離される孤独、絶望…。だが、ソフィアはどん底のなかでも勇気を失わず、見えない両足でアフリカの大地にすっくと立ちあがるのだった。12歳の実在の少女ソフィアに起こった、そして今も世界中で起こりつつある地雷の悲劇を描いた現実の物語。

著者等紹介

マンケル,ヘニング[マンケル,ヘニング][Mankell,Henning]
1948年生まれ。現代スウェーデンを代表する人気作家。児童向けから大人ものの推理小説まで幅広い作品を発表。’80年代半ばからモザンビークの劇団の支援を始める。『少年のはるかな海』(偕成社)でニルス・ホルゲソン賞、ドイツ青少年文学賞、『炎の秘密』刊行の翌’96年、児童文学における活動全般に対してアストリッド・リンドグレーン賞を受賞。モザンビーク在住

オスターグレン晴子[オスターグレンハルコ]
1958年生まれ。上智大学大学院中退後、旧西ドイツとスウェーデンに留学。帰国後、新聞社勤務を経て、フリーランスの通訳・翻訳業。’97年よりストックホルム在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

133
ヴァランダー刑事シリーズの作者ヘニング・マンケルが児童向けに書いた、モザンビークで地雷で足を失ったソフィアの話。村ごと殺戮する盗賊や、主要な道を離れるとどこにあるか分からない地雷も恐ろしいが、男がいないと生きていけない大人の女や連れ子を虐待する男らにも ため息が出る。職の技能と読み書き計算の技術を身に付けるべく助けることが援助なのだと改めて思った。それにしても、子供の強さには舌を巻く。先日テレビで観た、両足を失ってベッドで勉強していたパレスチナの男の子にもソフィアのような未来がありますようにと祈る。2018/06/25

ふう

85
ソフィアは実在した12歳の少女。モザンビークの悲惨な歴史の中で育ち、怖ろしいできごとによって大切な家族と両足を失いました。そのソフィアが絶望の中から希望へと歩み始める物語です。これまでに読んだアフリカを舞台にした物語にも、アフリカの大地と同じような力強い色彩が描かれていました。燃えるような大きな太陽、暮らしの中心にある炎。それはアフリカの人々の生命力そのものの色で、ソフィアの中にもそんな力が受け継がれていたのでしょう。その力と周りにいる人々が善意で差し伸べてくれた手が重なり、希望への道を開いてくれました。2022/02/05

キムチ

51
このタイプの本は「大人の絵本」というのかもしれないけど、そんな手あかがついたネーミングで呼ぶにはあまりにも内容がある。1行だに飛ばせない・・・ノンフィクションの持つ重さ、崇高さ、ソフィアのたどった人生の痛み等々暖衣飽食日本の一人として居住まいを正さずにはいられなかった。かつて数冊、地雷に関して書いたドキュメントや文学に触れたことが有ったが、マンケル(ヴァランダーシリーズとは大きく異なった味わい)のペンが描くとこういったニュアンスになるのかと感慨深い思いだった。2018/07/17

クリママ

46
モザンビークの実在の少女の物語。村が襲われ、生き残った母、姉たちと何日も歩き続けてやっと遠い親戚のいる村にたどり着く。そこでは絶対に道から外れてはいけないと教えられたが、わずかな遊び心から足を踏み出し、姉は死に、ソフィアは両足を失った。自分自身を責めるソフィアが哀れだ。苦しみながらも義足に慣れ、ミシンを使った洋裁の仕事を始める。モザンビークは長いポルトガルの劣悪な支配から独立したものの内戦が続き、死者百万人、多くが難民となり、おびただしい数の地雷が残された。彼女の力強さに賞賛を送り、未来の安寧を祈りたい。2022/02/28

みやび

12
せっかく生まれてきて、なんで戦争の犠牲にならないといけないのか。平和な国で育った私には怒りしかないけれど、12歳のソフィアは目の前で父親を亡くし、辿り着いた地では地雷で姉を亡くし、自らも両足を失ったことを、ただただ受け止めるしかない。周りの大人たちの助けが本当に大切なのだと思った。ソフィアは生き残れたけれど、ウクライナ情勢と重なって胸が張り裂けそうです。2022/04/17

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