長い時間をかけた人間の経験

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  • サイズ B6判/ページ数 179p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062103817
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

あの少女たちの名前は忘れない。八月九日から55年、生と死を往還した20世紀の意味を問う「魂」の遍歴。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

105
物語の中で観音巡りをしながら、作者は自分の同級生達の人生に思いをめぐらす。8月9日に長崎で原爆を受けた人達の人生は悲惨で、たとえ直後に体の不調は出てこなくても、10年後、20年後に体が放射能に蝕まれていくことが、実感できる。核兵器は悪なのだと作者は声高に述べるわけではない。まるで亡くなった自分のクラスメートと対話するように物語を作り出していく。10代の若さで命を落とした少女たちの無念の思いが、作者の静謐な文体から切々と伝わってくる。作者自身も原爆の被害者なのだ。これは作者の血と涙で書かれた小説だと思う。 2016/11/21

kinaba

1
終わり近くの「被爆者の先輩が、ここにいた。泣くことも叫ぶこともできないで、ここにいた。」の一節が、心に残る。2011/02/17

sutekibito

0
とても重い内容、散文詩のように書き綴られる。怒りが直接的でないことが、その秘めたものが湧き上がる。2023/08/25

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