内容説明
第三の開国、などと呑気なことをいっている時期は、とうに過ぎ去ってしまった。現在のこの国の危機は、黒船や敗戦という目に見える事象がないためわかりにくくなつているが、病魔はすでにわれわれの体深くを蝕んでいるのである。100兆円の国費を投じて、なおいっこうに浮揚してこない経済、頻発する大事故・事件、毒物によるテロ、そして若い世代の心の荒廃。だれもが皮膚感覚で「これはおかしい」と感じている。斃れてのちやむ。それこそが、晩年を静かに過ごしたいという想いを変え、政治家として最後の一瞬まで、たとえ孤軍であっても戦い抜こうと心に決めた唯一の理由だ。
目次
序章 「失われた十年」と「これからの十年」
第1章 経済再興への道
第2章 産業を興せ―新しい資本主義の国家プロジェクト
第3章 年金を改革せよ
第4章 地域主権の時代―中央集権制からの脱却
第5章 新しい外交戦略を考える
第6章 二本柱の防衛論
第7章 道義ある日本人を育てる