内容説明
八月になったらキャンプに行こうって、みんなで約束したのだった。芥川賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
155
第122回(平成11年度下半期) 芥川賞受賞 。 ゲイである松井マルオの眼を 通して、現代の若者を描く。 感情が薄い気がするのは 著者の意図なのだろうか。 拘り、妬み、執念などなく、ただ 淡々と生きている、そんな 若者たち。マルオとヒカルに 対する岡野さんの立ち位置が 微妙でよい。だが、「夏の約束」が 意味するものは何だったのか、 最後までスッキリしない、そんな話だった。 2014/03/29
Koichiro Minematsu
54
LGBTの生活を表出する本小説は、今となっては考えることも多くなったが、当時としての認知がどうだったのかっと、逡巡できる作品だと思います。夏の約束はいつの時も、好きな人と過ごす最高の時間は、やっぱりキャンプでしょう(笑) それと何故かアポロチョコを食べたくなりました。何だろうか、ほんわかな時間?2020/05/13
James Hayashi
29
芥川賞受賞作。ご本人もLGBTでおられ、作品もそれに関するもの。金城一紀氏が評価されていた作品なので手に取った書。しかし人物描写は薄く、人間関係、背景、構成など物足りなさを感じた。2017/06/26
シンシア
26
男性同士のマルオとヒカルと、その周りの友達の普通の ひと夏のお話。大きな事件もないけど、日々の出来事が綴られる。今話題の団地の二人と同じ二人。藤野千夜さんの世界、好きかな。2024/11/07
小夜風
25
【所蔵】芥川賞を受賞した時に読んだ筈ですが、内容を全く思い出せず再読。デブでホモのマルオとその恋人ヒカル。その他の登場人物たちもどこかはみ出している人たち。夏になったらみんなでキャンプに行こう!とやけに拘っているのですが、みんなキャンプに良い思い出がない人たちなんですね。だからこそキャンプしたいんですって。その気持ちは私も理解出来ました。私もはみ出している人だから…。2014/03/26