内容説明
一人の引きこもりの青年が体内に共生虫を飼っている。…絶滅をプログラミングされた種は、共生虫の終宿主となる。ある種が自ら絶滅をプログラミングするということは、生態系の次の段階を準備するということでもある。例えば恐竜の絶滅は次の生命環境のために、つまり次代の全生物の共生のために不可欠だった。共生虫は、自ら絶滅をプログラミングした人類の、新しい希望とも言える。共生虫を体内に飼っている選ばれた人間は、殺人・殺戮と自殺の権利を神から委ねられているのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
詩界 -うたか-
4
想像すると虫苦手だからか凄く気持ち悪くなるけど作品としてはすごく面白くて、想像力豊かな描写で凄いです。でも二度と読めません(虫ィ)
りょうけん
4
・・・ 星ゼロつ! おっと、村上龍の作品にわ、こんなにおもしろいのがあったのだ、という事が発見できてのっっけは嬉しい感じである。 なんとなく『クリスタル』という本は読んだと思うが、後に村上春樹という同姓のへんてこな作家のせいで、いっしょに村上龍の方も読まなくなってしまったのだと思う。あとは、そうそう村上龍はテレヴィに少し出たりしたからかな。 うーむそれにしてもこの本1ページあたりの文字の数が多い。凄く多い。全然改行なしで文章はドンドン繋がってつづく。当然読みやすくはないなぁ。 いつも数冊の本をいっしょ2015/01/23
つちのこ
3
引きこもりの主人公にとっては、パソコンでのメールのやり取りは、生身の人間と接することによる苦痛がなく、人に言えない秘密までも書き込んでしまう。しかし、そこに落とし穴が待っている。“共生虫とは何なのか?”という興味よりも、メールによる脅迫や中傷、プライバシーの侵害などネット社会がもたらす“怖さ”をひしひしと感じてしまった作品である。(2000.4記)2000/04/18
ひと
3
20年も前に書かれた本なのに、ひきこもりやネットの危険性が詳しく書いてありすごいと思いました。面白くて1日で読んでしまいました。2019/02/09
モコモコ
3
ひきこもり✖インターネット✖暴力というところかな。 前半は、ただの勘違いひきこもりが、暴力的になって破滅する話なのかな、と思ったのですがそんな感じでもなかったです。 人に嘘をつかれて傷つけられて、ボロボロになるっていうところとかネット黎明期を思いだしました。お仕着せの希望についての後書きよんでから読む方がしっくりきます。2017/07/26