内容説明
今から四十六年前(昭和二十八年)越路吹雪さんは、シャンソンを歌いつづけるなら本場でシャンソンを聞き、パリの風にもふれたいと単身パリへと旅立った。若い日の想い出になるからと、私は彼女に日記を書くことをすすめた。生活も言葉もちがう国で、そんな余裕はないだろうと思っていたが、思いがけず日記を書いて帰国した。飾り気のない、一生一度の、いかにも彼女らしい日記だった。(岩谷時子「はじめに」より)。
目次
序章 同行二人
第1章 パリ日記
第2章 南米日記
第3章 奇妙な夢
第4章 人生は過ぎゆく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maya
11
シャンソンがシャントゥーズ・レアリストそのものなら越路吹雪の歌もそう。生で聴いた事はないし、その感性の素晴らしさに気付いたのは、約5年間楽器に触れない生活を経て再び楽器に触れた頃だった。同じ歌い方はできない…。だからこそ生の舞台を観たかった。初めて舞台に上がるような緊張感を感じていた姿とは裏腹に、歌い始めると別人のようになる姿。舞台を降りたら決して歌わなかったという徹底した切り替え。家庭生活は驚く程古風だった。現在のパリやヌーヴェルシャンソンをどのように語るのだろうか。日記からも感性が伝わってくる。2021/09/11
はるとん
0
日記を書くのは難しい。 毎日同じことの繰り返しだから。 誰に会って、何を食べて…。 私なら滞在日記でも同じことしか書けない。 この本を読んで感情をストレートに書いた文章にドキッとした。 その時何を感じたかが、手に取るようにわかる。 写真も素敵で生の越路吹雪を見てみたかった。2019/03/20
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