出版社内容情報
ケルトファンタジーの女王メリングの処女作ドルイドの歌声にさそわれて古代アイルランドに迷いこんだ姉弟は、2つの王国による家畜争奪戦に巻きこまれる。王子と姉の恋もからませた華やかなファンタジー。 中学・高校
内容説明
ここは別の世界なんだ。そうさ。ピーターがぼくらを連れこんだんだ。姉さんの言ったように魔法か何かでかもしれない。そしてそこの世界に、なぜかぼくらは、しっくりなじんじゃったんだ。ローズマリーとジミーは、謎の男ピーターの歌声にさそわれて古代のアイルランドへ迷いこみ、コノハトとアルスターの二つの王国による「クーリーの牛捕り」戦にまきこまれる。アルスター最強の戦士クーフーリンとジミーの友情、コノハトの王子とローズマリーの恋…。ドルイドのピーターに魔法で助けられながら、ふたりはロマンと冒険の世界にとびこんでいく。メリングのケルトファンタジー第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たるき( ´ ▽ ` )ノ
36
これが処女作なんだ!クーフーリンとかメーヴとか、どこかで聞いたことのある名前が出てきてワクワクする。10代の姉弟が謎多き男ピーターの魔法で過去の世界へ行くことに。戦争の虚しさや悲惨さが描かれ、少し読むのが苦しい場面もあった。唐突にシーンが切り替わったりと違和感もあったが、充分に楽しめた。2022/12/03
ちゃちゃ
14
(美しい表紙と中身とのギャップが・・・。血みどろの戦いに明け暮れる日々・・・。)弟君の真っ直ぐさに好感がもてます。現代の教育と古代の考え方のギャップが微笑ましい。彼らとの出逢いは,弟君のそれからの生き方に大きな影響を与えたことでしょう。彼がクーフーリンの生き方を胸にどの様に生きていったのか気になります。きっと,新たな仲間と共に真っ直ぐあるいていったのでしょうね。2010/09/13
マツユキ
10
クー・フーリン絡みの作品を探していて、見つけました。17歳、15歳の姉弟が、古代アイルランドに。クーリーの牛捕りの最中であり、姉はメーブの息子に恋をし、弟は一人で戦うクーフーリンに力を貸す事に…。まあ、野暮ですが、主人公たちが時代に馴染みすぎ、と思いつつ、生き方が全然違うのに、友情を育んでいくのが、清々しかったです。 17歳のクーフリンが、爽やか。その分、戦闘となると怖い。本当、どうなってるの。 初夜のエピソードが面白い。タイトルのドルイドを含めた三人の旅の終わりは…。全体的に爽やかなファンタジーでした。2018/09/06
mahiro
7
久々の再読。アイルランドの叔父さんの家に休暇で遊びに来た姉弟が過去の世界に跳び、コノハトのメーヴ女王やクーフーリン等の戦いに巻き込まれて行く。こういうパターンは良くあるし主人公達の行動に無理があるとは言え、生き生きと描かれるケルトの英雄達やドルイドは魅力的で楽しめる。ただ深みは感じなかった。2015/09/20
さいと
4
あとがきで書かれているように「命は主君に、愛は女性に、魂は神に、そして名誉は自分に捧げる」という、中世の騎士のモットーを体現したクーフーリンには、現代の学校教育は不可解なものなんでしょうね。そのモットーのために生き、モットーのために死んでいく彼の人生は波乱万丈なもの。現代の主人公たちからすれば、そのモットーが不可解なもの。それでもひと時、共に過ごし、戦い、仲間となれた姿に胸が詰まる思いがしました。2010/06/21