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内容説明
兄、昭和天皇を補佐し陸軍・海軍へと身を投じた弟、秩父宮・高松宮を待ち受ける軍部の陰謀。皇弟による皇位簒奪を危惧した、元老西園寺公望の真意とは? 天皇と弟宮の生きざまや葛藤を克明に描き出す。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
5
皇位を継ぐことが確定している嫡子と、それ以外の弟たちとの違い。育ちの違いが考え方の違い、立場の違い、周囲の思いの違いに繋がるのか。大戦末期の、政治的に確立した皇室を目指す昭和帝と伝統に根ざした格式と権威を持った皇室を存続させようとする弟宮たちとのすれ違いなど、さまざまな歴史を経ているのですね。この本では、皇室はこれからもこうあるべき、と頑なに主張する考え方の中で、さまざまな国民の期待の狭間でぎりぎりに生きてきた戦前、戦中、戦後の日本の皇室の歴史が、好意的にゆったりと描かれています。2015/08/20
海
3
なかなか跡継ぎができなかったらそれはそれで困るし、かと言って兄弟がいたらいたでやれ壬申の乱だ皇室典範に問題があるだの言って、で結局どうしたらいいのよ?と著者にツッコミを入れたくなった。この本でも秩父宮様は本当に真面目なエピソード満載で、だからこそ2.26事件の時にはああいうお立場になってしまったのだろうなあと思ったり。2013/05/07
onepei
3
読みやすかった。兄弟でかかる重圧がちがいすぎる。2011/07/04
犬養三千代
2
兄弟とは言っても 並みの関係ではない。臣下として育つことと天皇のスペアであること、それは両立しそうで難しい。 昭和天皇、今上天皇そして皇太子殿下の「人生」を思うに人として気配りにストレスに押し潰されないことを祈るばかり。2017/03/02
たぬき
2
戦前史の記述では、昭和天皇が 真空の軸として記述されることがある。力点でも 作用点でもない 支点としての天皇。 本書では さらに 仮想支点 成就されなかった支点としての弟宮の歴史。作業仮説としての支点を置くことで見えることもあるので、力点 作用点を知っていないと 支点は見えてこない2012/01/12