出版社内容情報
山を守れ! ぼくと神さまたちの共同戦線だ守の家は代々稲荷社を守る巫女の家系だ。神さまたちのすむ稲荷山を巨大開発から守るため、守は、人間に変身したお使い狐たちと立ち上がる。 小学上級から
内容説明
先祖代々、裏山の稲荷神社の巫女をつとめるマモルの家に、ある日、奇妙な下宿人がやってきた。腰までとどく長髪に、和服の着流し、アブラゲが大好きな美青年・守山さんのふしぎな魅力に、マモルはしだいにひかれていく。そして、レジャーランド開発のために破壊されようとしている山と古墳を守ろうと立ちあがった守山さんと、マモルは行動をともにするようになる。海に山に森に、太古から宿り、人間たちを守ってきた“存在”との運命的な出会い、そして、明らかになった守山さんのおどろくべき正体とは?いま、自然を守ることのたいせつさを熱く問いかける、秀作ファンタジー。第32回講談社児童文学新人賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちこたん
24
★★★☆☆小学生以来の再読。中学生の主人公と、土地神との交流を通して、自然環境の保全を訴えている。レジャー施設の開発で破壊される山を守るべく奮闘する、というのが初版時の1992年のバブル期をいかにも象徴しているようだった。「10年後、20年後に自らの愚かさを思い知るだろう」という趣旨のセリフがあるが、23年たった今、果たして状況は改善されているのだろうか。初読時は極悪非道に思えた企業側の事情も、今は理解できるだけに複雑。4億円もかけたプロジェクトをオカルト話のために白紙にしていたら倒産しちゃいますよね。2015/10/15
mikipon
14
小6娘の夏休みの読書感想文。うちの辺りは、古墳が一杯あるので、古墳つながりで書きやすいかな?という、やや安易な選択ではあります。現在前で、最後の宿題の読書感想文をなんとかやっつけようと奮闘中。2015/08/26
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
9
所々に時代を感じてしまい、教科書のおすすめに掲載されているけれど古さを感じてしまいました。平成たぬき合戦ぽんぽこの狐版という感じ。環境問題。2018/12/17
今夜は眠れない
9
懐かしくて2016/01/14
おゆ
5
91年に発表された著者のデビュー作、舞台は昭和の終わり頃。中学生マモルの一人称や女性秘書の書き方に古臭さを感じるけれど、信頼のある作者なので構わず読む。古墳から古代へと思いを馳せるのも、伐採された森林の上げる悲鳴を聴くのも、見えないものを見ようとする才があればこそ。美佐代姫の素性や守山さんの不在は痛ましかったが、それを受け止めるマモルには、子どもらしい素直さよりも器の大きさを感じた。この先で「月神」シリーズで読んだアニミズム表現が生まれるのだと納得の思いがしました。2025/01/13