内容説明
「羊をめぐる冒険」から4年を経た1983年の春、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら、「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。現実と幻想、生と死、沈黙と響き、虚無と豊饒。繋がれたものと、断ち切れられたもの。それはいったいどこに向かい、何を希求しているのか?「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」の3部作で1970年代の魂の遍歴を辿った村上春樹が、80年代を舞台に、その新たな価値を求めて、闇と光の交錯を鮮やかに描きあげる最新作、書き下ろし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
再び読書
39
再読、やはり羊をめぐる冒険の続編らしく、上巻にはミステリアスな雰囲気が漂う。経営が変わってしまったドルフィン・ホテルに再度引き寄せられるぼくは、ホテルの従業員の女性と親しくなり、彼女の依頼でユキが東京に帰る事に立ち会う事になる。また、北海道で見た五反田君にキキを探す手がかりを掴むために再会を果たす。お互い気が合う?ことを確認した彼はメイと出会う。そのメイが殺されてしまう。その事により、彼は警察に尋問を受け、図らずもユキの父親に解放の手助けをしてもらい、まだ解き明かされていない糸をほぐしに進んで行くはず!
鴨ミール
32
再読。何度読んでもあきない。2017/10/18
meg
30
何度も読む。何度もうなずいたり、何度も哀しくなったり。人生のようだ!村上春樹の世界観はやはりいいものがある。2024/10/08
みなみ
25
久しぶりに訪れたいるかホテルは、名前は同じなのに全く別のホテルになっていたところから始まる不思議な物語。「この問題はもうぴったりと蓋をされてしまっている」という表現が村上春樹らしい。「人間って不思議だよ。一瞬で年を取るんだね…僕は昔は人間というものは一年一年順番に年をとっていくんだと思ってた」という台詞が印象的。2024/11/05
さこちゃん
22
何年たって読んでも色褪せない言葉、文章、物語。謎めいて何がしかの問題を抱えている人達。誰にでも感情移入できる不思議。ありえない話だけど、ひょっとしたらと思わせる不思議。読んでいて、ときめきと安らぎを感じ、またここに帰ってきたなって感覚。随分前に廃業した本屋さんの栞が出てきて、32年前を懐かしんだ。ゆっくり下巻へ。2021/03/14
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- 和書
- 仕事は5年でやめなさい。