内容説明
昭和22年夏、東京・神田の愛敬稲荷神社の境内。神主と近所の主婦たちは玩具のお面を作ったり、ヤミの買い出しで糊口を凌いでいる。そんな折り、神主の一人息子、健太郎が戦地から帰還した。すでに戦死公報が届いており、いわゆる生きていた英霊だった。健太郎は神田中学のエースから職業野球のイーグルスに入団後、召集されたのだ。父親や元キャプテン、近所の人たちの喜びもつかの間、健太郎はC級戦犯の容疑で、グアムに送られることになった…。神田の愛敬稲荷神社を舞台に戦争責任を鋭く告発した力作!ひさし版「昭和庶民伝」第2部。