内容説明
「買って」おかまのセーラちゃんは言った。コピーライターの〈言語感覚〉に溢れた愛と笑いの世界。群像新人賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
19
☆☆☆☆ 再読。コピーライターが書いた小説ということで、言葉遊びが巧み。初めて新井千裕を読んだ時には、その斬新さに魅惑されたが、20年以上経った今読み返してみると、表層的な印象にとどまる。ああ、自分もそれなりに大人になったのだなあと実感。それでも村上春樹をもっとポップにしたような文体は変わらずに好きだ。オカマの道に進んだ家庭教師の教え子があまりにもナイーブ、そしてこの世界観にあっている。2015/11/15
コジターレ
8
コピーライターの私と、言葉のw1と、オカマの彼の物語。言葉を生業にする著書が物語を紡ぐとこうなるのかという新鮮な驚きがあった。僕は、脚本家の書いた小説は嫌いだけど、コピーライターの書いた小説は好みのようだ。含蓄に富む文章、言葉という存在への問題提起、そして笑いを誘うユーモア。もう一度それらを噛み締めながら読んでみたい一冊だ。2025/03/29
遊真
2
コピーライターとおかまとW1の物語。このW1という存在が実に良いアクセントになっている。新井千裕の代表作。
ぼん
1
著者曰く「コピーライターとおかまとW1の物語」。神が最初に「光あれ」といったその瞬間から言葉はすべての根源となった。それ故に言葉の精(?)W1はクレオパトラの「あすこ」になったりもした訳ですね。そして「おかま」も同様。性別的に男でありながらヘテロでないのが「おかま」なのか?女装趣味者なのか?言葉遣いが女性的な人?性同一性障害者?「おかま」って一体なに?「言葉」って一体なに?という哲学的な命題を言葉を操るプロファッショナル、コピーライターがおもしろおかしく小説にしてみましたよというのが本作かと。★★★☆☆2011/05/06
ジャズクラ本
0
◎