内容説明
逸翁の主張が家元制についてであれ、茶器論についてであれ、その正否を今論ずる必要はない。ただ、逸翁の自由主義と合理主義から導かれるまことに明快な論理として既成の茶に対する批判が述べられていることに注目したい。いうなれば、その批判は実に当然の議論なのである。茶人すべてが心に収めておくべき茶の湯の原点、いわば初心なのである。
目次
1 新茶道とは
2 新茶道問答(茶会の現状;お茶の家元;茶道の新体制;家元楽観論)
3 大衆茶会の常識作法
4 美術品と茶道(大阪城の国宝問題;細川、黒川、両美術館)
5 商人の見た美術論(不孤斎の歩いた道;是非黒白の説)
6 前代未聞の茶界
7 文化財保護法をめぐって