出版社内容情報
ドストエフスキーは最初から「ユーモア作家」だった!
怪しい色男を巡る、2人の紳士の空疎な手紙のやり取り。寝取られた亭主の滑稽かつ珍奇で懸命なドタバタ喜劇。小心者で人目を気にする閣下の無様で哀しい失態の物語。鰐に呑み込まれた男を取り巻く人々の不条理な論理と会話。19世紀半ばのロシア社会への鋭い批評と、ペテルブルグの街のゴシップを種にした、都会派作家ドストエフスキーの真骨頂、初期・中期のヴォードヴィル的ユーモア小説4篇を収録。
沼野充義
ここに収められた初期から中期のドストエフスキー作品の基調ともいうべきものは、延々と続く形而上的議論の底知れぬ深みに下りていく手前で踏みとどまり(いったん呑み込まれたら這い出すことができないような深みがあることはすでに予感されるとはいえ)、あえて表層で戯れ続けているような感じさえ与える過剰な言葉と自意識のドタバタ劇場であって、ドストエフスキーは明らかにユーモア作家でもあった。――<「解説」より>
ドストエフスキー[ドストエフスキー]
著・文・その他
工藤 精一郎[クドウ セイイチロウ]
翻訳
原 卓也[ハラ タクヤ]
翻訳
小沼 文彦[コヌマ フミヒコ]
翻訳
沼野 充義[ヌマノ ミツヨシ]
編集
内容説明
怪しい色男を巡る、二人の紳士の空疎な手紙のやり取り。寝取られた亭主の滑稽かつ珍奇で懸命なドタバタ喜劇。小心者で人目を気にする閣下の無様で哀しい失態の物語。鰐に呑み込まれた男を取り巻く人々の不条理な論理と会話。十九世紀半ばのロシア社会への鋭い批評と、ペテルブルグの街のゴシップを種にした、都会派作家ドストエフスキーの真骨頂、初期・中期のヴォードヴィル的ユーモア小説四篇を収録。
著者等紹介
ドストエフスキー[ドストエフスキー][Достоевский,Федор Михайлович]
1821・10・30~81・1・28。ロシアの小説家。モスクワ生まれ。父は慈善病院の医師。工兵士官学校卒業後、工兵局製図室に配属されるが、一年ほどで退役。以後は文筆活動に専念。1846年処女作『貧しき人々』で華々しくデビューするが、49年ペトラシェフスキー事件に連座、逮捕され、シベリアに流刑。刑期をつとめ上げた後『死の家の記録』等で復帰。封建的秩序が崩壊していく過渡期にあって、矛盾にみちた時代状況を尖鋭に捉え、『地下室の手記』『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』等、人間存在の本質を根源的に追求する文学を創造した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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