出版社内容情報
戦後世代に深く影響を与えた埴谷雄高の思想集成。全3巻
戦後世代の思想形成に深く影響を与えた埴谷雄高。思考の小説化を試み、思索的想像力によって創出された『死霊』を裏打ちする想像力、政治理論、文学論等を埋込んだ「埴谷雄高評論選書」全3巻のうち、政治的考察を展開する第1巻〈政治論集〉、「政治をめぐる断想」「政治のなかの死」「現実政治の狙撃」「死滅せざる『国家』について」など収録。『死霊』に続く埴谷雄高の評論集初の文庫化。
埴谷 雄高[ハニヤ ユタカ]
著・文・その他
立石 伯[タテイシ ハク]
編集
内容説明
戦後世代の思想形成に深く影響を与えた埴谷雄高。思考の小説化を試み、思索的想像力によって創出された『死霊』を裏打ちする想像力、政治理論、文学論等を埋込んだ「埴谷雄高評論選書」全三巻のうち、政治的考察を展開する第一巻『政治論集』、「政治をめぐる断想」「政治のなかの死」「現実政治の狙撃」「死滅せざる『国家』について」など収録。『死霊』に続く埴谷雄高の評論集初の文庫化。
目次
序 政治をめぐる断想
第1部 政治と革命の本質(政治のなかの死;敵と味方;指導者の死滅 ほか)
第2部 現実政治の狙撃(古い文章『農民委員会の組織について』;全学連と救援運動;六月の“革命なき革命” ほか)
第3部 思考と国家の革命(永久革命者の悲哀;闇のなかの自己革命;党と大衆団体について ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フォンテーヌ赤井
2
「革命と国家」、読んでみたい。埴谷はクロンシュタット反乱の本に解説を書いてたような記憶がある。アナキスト時代の埴谷のレーニンとの格闘、気になって仕方がない。2025/01/21
館チョー
0
良い。2013/02/08
たんかともま
0
正直かなり晦渋な文章だが、そこに詩的な美しさがあり、評論という枠を越えている。頭でっかちな、机上の論理に思える部分もあるが、ビジョンを示すことができれば革命家の資格あり、という気持ちになった。ここまで死者に寄り添った政治論もなかなかない。階級対立、絶えざる現在との関係、自身の知らない他のことのみに関心をもち熱烈に論ずる態度、と政治を分析したのは慧眼。政治の原理は他の思考と今でも言える。一方で文学を個人の延長に築き上げるもの、と表現しているのがよかった。人間的な立ち位置でなく、存在などから見つめている印象。2019/10/21