• ポイントキャンペーン

講談社文芸文庫
舗石の思想

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 351p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061983069
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

石ころの存在を自らの「生存の原基」として団地居住者となった著者が、少年時に戦争から学んだ「生の綱領」をハカリにして、団地という場所から行なった定点観測。結婚、家庭、生活、社会等、そこに見えてくる戦後の「新しい生のスタイル」に「虚偽」の匂いを感じとる。目前の現実と自身の「生の綱領」との対峙のなかで、「私とは何か」を徹底究明した代表的長篇エッセイ。

目次

ノートの声
団地居住者の意見
歪んだ時間
他人のような顔
空虚な人間
物語の領域
恋愛と結婚
戦争と家庭
死の音信
幕間・註及び雑説
自己紛失の劇
性的な記憶
陸橋上の冒険
舗石の上で
或る決算報告
負い目があるか
泣きながら走る子へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

OHNO Hiroshi

3
読んでいて、気持ち良いものにほかならい。自分は何でもない、石ころのような存在だと。石を拾ってきて、机上に起き、石の声を聞く。大切な人に、石をあげる。 何も起こらない。生きていくことが肝要なのだから。熱いものは、冷まして、食べないと。2016/08/28

AR読書記録

2
正直難解。ただ著者の感ずる世界との折り合わなさには多少共感する部分があり、そこからとりとめもなく自分の思ったのは次のようなこと。世の中には、人間の生には、ある程度、普通に生きればこう考えこう感じこう過ごすことになる、という王道のようなものがあって、中心か多少ずれるかはあっても、いちおうそこにおさまっているひとには、自分がそのような流れのなかにいることも感得しえない。だが、そこから明らかに外れた者は、流れと、それに外れた自分の位置も見える。そうした者は不気味な存在に見えるかもしれないが、必要な者でもあろう。2014/05/22

さんくん

1
無類に面白いです。すごい病的なことを真面目に書いてるんだけど、それが一周回ってとぼけた感じになっているというか。読むのがあと10年早かったら、染み入ってたんだろうなと思いました。ギャグで消化してしまう……。2022/04/01

東京湾

0
一塊の石を基点に、生活における現実感の欠如と自己の空虚を分析する、文芸評論家・秋山駿のエッセイ。"二二が四"の原則で人生という不合理を徹底的に合理的な視点から解体し、更に団地生活者の無個性から戦後日本の欺瞞を露わにする、私小説にも似た透徹した論考だった。2022/01/25

こじこ

0
前半30ページ激オモロー2021/03/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/163257
  • ご注意事項

最近チェックした商品