出版社内容情報
【内容紹介】
一等航海士のジムは、遭難した老朽船パトナ号に800人の乗客を残したまま、切迫した状況下、船を見捨てて船長ら3人とボートで脱出してしまう。船は助かったがジムの悔恨は大きく、果てしない放浪が始まる。ジョゼフ・コンラッドは1857年ポーランド生まれ。17歳の時マルセイユで船員生活に入り、1886年イギリスに帰化。94年に船員をやめ、創作に専念。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
43
ジムは、体格よく、普段の行いもそつなく優れているため、自分を英雄になれる人物だと信じてやまない。英雄になれる機会を二度までも逃していながら、どうしてまだ自分が俗物であることを否定し続けるのかが疑問だが、その答えは下巻で明らかにされるのだろうか。ジムの放浪は、贖罪というよりは罪からの逃亡にすぎず、そこにもジムの弱さが見える。ジムに関心を持ち、ジム自身も自分のただ一人の理解者として心を許すマーロウ船長は、『闇の奥』の語り手で、この話も途中からマーロウの一人語りとなる。時間的には『闇の奥』のあとになるようだ。2016/02/08
rueshё
2
読了
らんまる
2
退屈。全体的に話の進みも遅いし、おそらく翻訳もへたくそ。下巻も読むだろうけど憂鬱。2010/11/09
のうみそしる
1
事件について何もわからぬまま、ただなんかやらかしたやつがいるんだ、という感じで進む。視点が変わっていつものマーロウになるあの手際はほれぼれするほど鮮やか。徐々に明らかになる全貌。ときどき挟まれる、その話をしている時点のジム(立ち上がったり、爽快に笑ったり)とマーロウの心理。翻訳あんまり上手じゃないのかな?自分が特別な何かになれると信じていて、だがこの場所にいては何者にもなれないとどこか別の希望の地を求める若さゆえの彷徨。でも「ロマンチック」の一語では片づけられない人間の業。下巻もしんどいけど読まなきゃ2024/10/30
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