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内容説明
日本民俗学の出発点となった「遠野物語」を、遠野に育った著者が、体験をもとに読み解き、四季の写真とともに舞台となった土地を案内。
目次
『遠野物語』の世界(河童と淵神伝説;ザシキワラシの漂泊;山に呼ばれた女たち;山男の影と実像;オシラサマとシルクロード;前兆と魂のゆくえ;幻想とマヨイガ;里を窮う鳥や獣たち)
物語とその舞台
遠野の見どころと歩き方―遠野と周辺地図(古寺名刹と伝統芸能;「民話の里」遊学散歩;『遠野物語』と民俗学)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
9
「ネフスキーは、大正四年に柳田と会見、民俗研究のテーマとしてオシラサマを勧められて、佐々木喜善と共同研究を開始した。しかし、未完のままネフスキーは帰国、佐々木も昭和八年に他界…以後、二人より年長の柳田がかれらの業績を引き継ぎ、その上に打ち立てたのが『大白神考』である。帰国したネフスキーは…教師をする傍ら、西夏語の研究に取り組み、世界的な業績をあげる。ところが、スターリンの血の粛清にあい、日本人であった妻の萬谷イソと悲劇的な死を遂げる…『遠野物語』は、当時の研究者の人間模様までも色濃く染め上げていた」2020/03/22
喪中の雨巫女。
8
《私-図書館》写真が多くて、遠野に行った気分になりました。このあと遠野物語を読み返す予定のため、予習のつもりで、読んでいたが、なかなか面白かった。 2019/01/02
天茶
1
★★★★☆2023/06/07
小心
0
100年前は夜の重さが今とは違ってズシリと山村に覆いかぶさっていただろう。遠野の伝説の奥に秘められた厳しい山村の暮らし。「岩の上で髪を梳かしていた女性を猟師が鉄砲で撃つ話」の驚愕の真実は、想像を超えて悲しいものだった。2011/12/25
K
0
(1992,382.12)202110に前図書館の企画展に出した本。この本が出た数年後に初めて訪れた。このたび遠野を34年ぶりに再訪した後に読む。デンデラ野、オシラ様(博物館内)、里山の実りなど、この本のまま。反面、カッパ淵は家族連れでにぎわい過ぎていた。すぐ林の際で野生のシカを見た、そんなの以前はなかっただろう。釜石自動車道が横切り、周辺空間はだいぶ違って見え、細い峠道はうっそうとし過ぎていた。変わるもの、変わらないものを読みながら再確認。ただ、水、緑、死が縁取る美しい里というイメージはずっと続きそう。2023/09/08