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内容説明
中世は混沌の時代、史林の闇に分け入る『私本太平記』に、取材余話、紀行、史話、身近雑記からなる「筆間茶話」は、格好の道案内である。さらに「新春太平綺語」「太平記寸感」などを添える。また、名作『宮本武蔵』創作の秘密に触れる「随筆宮本武蔵」には、伝記、史料、口碑、遺跡紀行を配し、著者の武蔵に寄せる情熱と傾倒を窺い知ることができる。最良の『宮本武蔵』入門書といえよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
4
『随筆私本太平記』『随筆宮本武蔵』のカップリング。前半『随筆私本太平記』は連載中の箸休め(穴埋め?)エッセイ「筆間茶話」全二十九話がメイン。執筆中の取材報告や考証的な話題に混じって、文化勲章の受章や伊勢湾台風などの時事ネタが突然出てきてドキリとさせられるのであります。それにしても伊勢湾台風での日本政府の対応を批判して、中共・ソ連・英米だったら「国智と民力を集中して快スピードの政治力と隣人愛とを見せ合うだろう」なんてことを書いていらして、おや、吉川英治先生も戦後の進歩的文化人じゃないのと苦笑い。星4つ。2021/03/23
ukikusa
3
「私本 太平記」を読了したものの、戦いの連続で嫌になってきた。特に骨肉の争いは悲惨すぎる。最後は問答できれいにまとめてみても、南朝北朝が分かれている限り、各地で小競り合いが続いているわけだし。暗い気持ちになった。この随筆は、新聞連載中に、間に挟んでいたものらしい。その時々に思ったことや、出会った人々のことが書いてあって、ほっとしたし、楽しめた。2023/02/26
雪野きずな
3
宮本武蔵は資料が残ってないのか。あと水滸伝は途中で絶筆したのか積読本になっているからそのうち読むだろう。2018/11/22
mari母
2
吉川英治が私本太平記を新聞用に執筆していたとき(昭仁皇太子と正田美智子さんの婚礼や伊勢湾台風があった昭和34年前後)に、この小説を書くにあたっての様々な調査旅行の記録や、登場人物への自分なりの思いを綴って、小説本文の掲載とは別に折りに触れて新聞に投稿したもの。人間としての楠木正成、足利尊氏、北条高時、佐々木道誉らに向けた強い思い、また戦乱の世における庶民の生き様への思いが、あの短くも最も悲惨な時代に数えられる鎌倉滅亡から室町、南北朝期の世界へと、ますます自分を誘い込む。2020/04/18
とらまめ
1
随筆宮本武蔵。 小説宮本武蔵を深く堪能出来る。2024/11/15