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内容説明
梅里先生とは徳川光圀、政務をはなれ、西山に隠棲する光圀を称ぶにふさわしい。だが光圀、決して閑日月ではなかった。終生の事業、大日本史の修史をつづける一方、炯々たる眼光をもって世情を睨んでいた。浮華な元禄の世、その上に立つ将軍綱吉、寵臣柳沢吉保…。光圀にとって苦々しいのは、その柳沢と藩老藤井紋太夫とが手を結んでいることだった。光圀の周辺には、不気味な動きがある。
梅里先生とは徳川光圀、政務をはなれ、西山に隠棲する光圀を称ぶにふさわしい。だが光圀、決して閑日月ではなかった。終生の事業、大日本史の修史をつづける一方、炯々たる眼光をもって世情を睨んでいた。浮華な元禄の世、その上に立つ将軍綱吉、寵臣柳沢吉保…。光圀にとって苦々しいのは、その柳沢と藩老藤井紋太夫とが手を結んでいることだった。光圀の周辺には、不気味な動きがある。