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内容説明
弦之丞を恋するお綱、お綱を追うお十夜。弦之丞はお千絵を想い、お千絵は旅川周馬に迫られる。恋と剣のまんじ巴は、木曽から鳴門の汐路へとつづく。阿波藩を動かす勤王の大立て者竹屋三位卿は、弦之丞の前に立ちはだかる強敵であり、剣山の間者牢に年久しくつながれる甲賀世阿弥の死命をあずかる非情の人でもあった。いま、山頂の牢を前にして、幕府方、勤王派の最後の死闘が展開される。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
59
完結編になります。弦之丞は遂に阿波藩へと乗り込みますが、その正体も行動も敵に見透かされているというのが何とも言えません。恋と剣の交錯する怒濤の展開が幕を開けます。弦之丞を想うお綱、お綱を追うお十夜、お千絵を想う弦之丞、旅川周馬に迫られるお千絵と恋の巴は鳴門へと。弦之丞の前には竹屋三位卿なる強敵がはだかり、最後の死闘が繰り広げられると想うと胸が高鳴ります。甲賀世阿弥の命を握られている非情な運命も危険を感じました。危機の連続と意外な展開が続く中での穏やかな最後は気持ちが落ち着きます。最後まで満喫できました。2015/07/12
そうたそ
8
★★☆☆☆ 吉川英治を人気作家に押し上げたという、当時新聞連載された伝奇小説。荒唐無稽という他ないストーリーだが、それを強引とも言える力技でまとめあげている、著者の力量が感じられる流石の一作。文体は書かれた時代ゆえに古めかしさはあるし、講談調のような独特の文体は慣れるまで時間はかかるが、慣れてしまえばそのリズムが心地よくなってくる。ストーリーは王道とも言える感じではあるが、如何せん長い。新聞連載らしく次々と新たな展開が待ち受けるがら全体を通した大きなうねりには乏しいように思え、やや飽きてしまった。2025/01/13
kuu
5
忍術や秘帖のもつ意味など時代背景などは全くですが、”読み物”としておもしろかった。主人公の法月弦之丞は、腕の立つ隠密かもしれないけど、女性にはゲス。そんなところも”読み物”としておもしろいのかもしれない。しかし、なぜにみんなが惚れるのか。特にお米には「それでいいのかぁ~!」と叫びたい。男女、世代で見る角度が違って、楽しめる作品だったのだろうな。 NHKドラマの弦之丞役は、田村正和さんだそうな。美しくてはまり役だわねぇ。2017/06/28
Kiyoshi Utsugi
4
吉川英治の「鳴門秘帖(三)」を読了しました。 四国屋の船に上手く乗り込んで、大阪から阿波国に向かった法月弦之丞とお綱の二人。 無事に阿波国にたどり着いて、世阿弥が閉じ込められている阿波国最高峰の剣山にたどり着いて、阿波国の陰謀を暴くことが出来るのか… 面白かったので、三巻目も一気読みとなりました。2019/08/26
よひとかっぽ
3
阿波への渡航で打たれた秘策と剣山での秘帖の争奪戦に心躍った。幕府隠密の情熱と阿波の陰謀入り混じりながら登場人物すべてがつながってくる。行き違う恋慕の情もどうなるやら。使命が果たされたときの意外な真相に驚く。同時に昭和の本格派を読了した充実感を久しぶりに味わった。2023/07/22
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