内容説明
小説家から政治家まで各界著名人を訪ねて、「人生の達人たち」の生き方の真髄を伝える随想訪問記。小林秀雄、青山二郎、自分の祖父の明治の軍人樺山資紀ら、先達への深い敬愛の情、はじらい、時に俗的な一面への反発をも隠さず、それが著者自身の告白となり、さらには白洲正子の心の世界をなす。その他、梅原龍三郎、正宗白鳥、室生屑星、田村秋子、渋沢栄一、吉田茂等収載。
目次
小林秀雄
梅原龍三郎
田村秋子
井上八千代
勅使河原蒼風
浜田庄司
梅若実
吾妻徳穂
正宗白鳥
室生犀星〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙とロケットが好き
9
近代日本史、または小林秀雄を知る為に手に取る。ロックフェラーの訪問をお断りした細川護立に、ふふふと為る。柳宗悦氏の「美」と「民藝」に対する項に共感。「日々の生活、不断の暮らし」普段ではなく不断。ああ、己の生活に背筋を伸ばそう。明日は整理整頓だ。麻生太郎好きな私には、吉田茂のユーモアあるエピソードやお花や庭作りの描写に頬が緩む。明治維新や昭和初期の頃を、今尚、祖父が健在ならいろいろ話を聞いてみたい事が沢山在るなと思いつつ読了。2014/05/04
ken
6
随筆の名手が文学、芸術、政治、芸能などの各界の著名人達を訪れその印象を記した書。室生犀星をオッサン呼ばわり、島崎藤村をツマラナイと言い放ち、小林秀雄に対しても阿らない。その道のオーソリティに対しても臆することなく、歯に衣着せぬ物言いが印象的。古本市にて購入。講◯◯社ボッタクリ文庫で安かったのでとりあえず。2017/06/26
さきん
3
どの方も有名人といってよい。大正時代、昭和時代の貴重な歴史資料になる。2015/07/12
mamige
2
白洲正子による、芸術家や政治家など各界著名人について語る随筆集。かねてより交流のある小林秀雄や青山二郎はもとより、吉田茂、梅原龍三郎に祖父樺山資紀まで網羅。その中でも書くために取材しているものが面白く、勅使河原蒼風編では『草月流を芸術として全面的に認めていない』、浜田庄司編では『近ごろの氏の作品に一般の民藝に共通する物足りなさを感じる』とピシャリ。京舞の井上八千代編では日本の芸道の「形」についての話や京都論が冴えまくる。筆者の芸術に対しての慧眼が全編に一貫しており、「芸術とは何か」と考えさせてくれる作品。2018/08/24