講談社文芸文庫<br> ガリバー旅行記

講談社文芸文庫
ガリバー旅行記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 255p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061963276
  • NDC分類 913.8
  • Cコード C0193

内容説明

1951年3月、原民喜自殺。死の直前に書かれた『ガリバー旅行記』再話。その第4章馬の国(フウイヌム)は怒りも憎しみも悪もなく、死の悲しみもないユートピア。穏やかな理性の国に唯一、光る石を好み争うことしかしないヤーフと呼ばれる人間に似た卑しい生きものが存在した。1945年8月6日の剥ぎとられた街「ヒロシマ」を所有する原民喜の悲痛な『ガリバー旅行記』。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

23
図書館の返却本棚に講談社文芸文庫版を見つけたので再読。原民喜が自殺する直前に翻訳したジョナサン・スウィフトの古典。日本でも「天空の城ラピュタ」など今でも読まれ続けているのだろう。原民喜は原爆の悲惨な世界を見たあとにこの作品の翻訳作業に没頭したのは鎮魂の祈りのためだったとは川西政明の解説。オーウェルはこの作品をアイロニーの世界だと見るのは人間の未来はけっして明るいものではないからだという。ただ原民喜はこの世界に絶望しながらも未来の子供たちにこの作品を残しておきたいと願ったのだ。それが遺書だったにしても。2024/02/25

ふう

12
【ガーディアン必読小説1000冊】#67 青空文庫で読了。この文庫は訳者が詩人の原民喜だったことに驚き。そしてWar and travel のカテゴリに入ってるのも納得。青空文庫版には巻末に原民喜の強烈な原爆詩『ガリヴァの歌』が収録されている。子供の頃読んだ物語とはまるで違った世界。2015/12/19

agtk

5
青空文庫で。子どもの頃よく読んだ小人国しか知らなかったが、いろんな国を巡っていたんだな。思っていたよりずっとおもしろかった。それにしても、これだけいろんな架空の国を取り上げた中、作者はなぜ日本にもガリバーを立ち寄らせたんだろう。2023/09/03

Kei

5
ガリバーがたどり着いた島には小人が住んでいて、大男であるガリバーが国を助けたという話だけだと思っていたが、実は周りが巨人だらけの大人の国、飛島(ラピュタ)、馬の国もあることを知った。これほど長く大人にも子どもにも読まれ続けている小説はあまりないと思うので、今回読めて良かったと思う。後から知ったことだが、ガリバー旅行記は世界のエリート校で読ませることもあるそうだ。本書の最後に出てくる馬の国は、ユートピア・共産主義の考え方で、それが上手く行かないことを小さい内から教えるのだそう。なるほど、そういうことだったの2016/03/01

あかつや

4
冒険家のガリバーが小人の国や巨人の国など、驚異に満ちた世界を見聞する。この人冒険家というかプロ遭難家だな。何回遭難するんだよ。話としては絵本などでもおなじみの前半部分よりも後半のほうが面白かった。進んだ科学力を持っているのに住人が皆その研究に没頭してまともなコミュニケーションも取れなくなっている国とか、優しい馬たちの国とか、この世界への強烈な風刺で色々考えさせられる。そんな国々と同列に日本が含まれているのが面白くもある。どこの国に行ってもすぐに現地語を習得するガリバーさんが日本語だけは習得できないんすね。2021/12/29

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