出版社内容情報
【内容紹介】
“私のその後の精神の傾斜を決定している”と著者のいうキリスト教への一途な帰依。その翌年の棄教、恋愛体験。鋭敏、早熟な少年の自我・性・文学への目醒め──。東京・渋谷という街の中に少年の「私」を埋没させ文学的青春時代に至るまでの“長い準備時代”を文献、知人の証言等で確かめ訂正しつつ、回帰する。『幼年』に続く、著者自ら“本篇”と記す、清冽な自伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
58
2013.12.14(12/14)(つづき)大岡昇平著。 12/12 (p063) 町田君は教会のクリスマスに招んでくれた。 その縁から一年の後、尾島牧師に少年の悩みを打ち明けに行くことになる。 このころの子供の遊びに、「輪廻し」があったことを書いておかなければならない。 代々木練兵場(現・代々木公園)の台地に沿った道、そこを突っ走る。 衛戍監獄。 大向小学校。 農大通り。 2013/12/14
i-miya
57
2014.01.22(01/14)(つづき)大岡昇平著。 01/21 (p065) (童謡、つづき) 標準かるたとホームズ、ルパンを教えた年上、石井太郎。 駄菓子屋遊び中心の石井。 宇田川横丁。 私の家で行く銭湯(今はサウナになている)。 七歳下の弟の辰弥。 M/Hという女組の同級生-彼女があとで、ジュニヤー小説的恋人になる。 石井は、それらを組織して、百人一首かるたを取るグループを作る。 能勢君。 我々男女組(共組)は、新入りの転校組。 2014/01/22
i-miya
51
2013.11.12(2013.11.12)(つづき)大岡昇平著。 2013.11.11 (p058) 隣家、Rさん。 父の兜町仲間、大正琴弾く妻、主人がいないとき。 奥さん、やせぎす。 当時流行の新楽器。 『カチューシャ』や『酒場の唄』などを奏でる。 もらい子、みっちゃん。 兄さん、一人、兄さんは先妻の子。 みっちゃんと馬飛びの想い出。 あるときみっちゃん、馬飛びの背をわざと低くして、僕はつんのめり、怪我(擦り傷)をした。 つんのめった。 2013/11/12
i-miya
42
2013.10.06(つづき)大岡昇平著。 2013.10.05 母の死、S05.04、46歳。 お母さんは会計にだらしがないからな。 家が豊かになったとき、母は大型の蝦蟇口に無造作に、箪笥の小引き出しに蝦蟇口を入れ、口から五十銭、二十銭、十銭の小額紙幣で膨れ上がり、その中から五十銭札を2枚ずつ盗みナマリメンを買った。 多くの高度な必要悪、犯さずにはいられなかった。 そのご私は64歳まで結局何も貯めない生活を送った。 2013/10/06
i-miya
38
2013.02.03(再読)大岡昇平著。 2013.02.03 (初刊本あとがき) 1973春-1975夏、連載。 『幼年』の続編。 自分の記憶を文献や、知人の証言により、訂正していく方法。 (文庫本あとがき) (解説=四方田犬彦=『「私」を解き明かす“隠された記号”』) 農民の孫。 株式仲買人の息子。 母は、元芸妓。 父方の元内務官僚に名を与えられた。 明治の終わり、牛込区新小川町生まれ。 文献という文献が参照される。 半世紀前の渋谷の地政学。 2013/02/03