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内容説明
慶応3年(1867)10月、徳川慶喜はついに“大政奉還”を断行した。しかし薩長との対立は少しも緩和されず、かえって幕府、会津、桑名の重臣から強く挙兵を迫られる。蟄居する慶喜…。家康から265年続いた徳川幕府は、この15代将軍を最後に終焉する。大正2年まで生きた慶喜の生涯、完結篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
29
汚れた幕府を一掃して新しい日本を作りたいという気持ちは将軍職に就く前から思い描いていたこと。慶喜様の心を理解する者は暗殺され、そこへ岩倉具視の天皇を利用したクーデター。「王政復古」という言葉を使っても、慶喜様が大政奉還で済ませているのに、是が非でも賊名を蒙らせ内戦にもっていこうという陰謀が。わかってもらうには時間がかかりすぎたが、そうしないと誤解を招く。慶喜様を生かしておいてはならないという声もある中での長い謹慎生活。刃を向けられてもどこかで止めなきゃならないということを慶喜様は後世の者に教えてくれた。2021/10/15
オチョモコ
3
主君への謀叛裏切りは一族連座の重罪。たとえ足軽の子であっても才覚ひとつで明日には国主たりうる戦国の世ならではのこと。自らの器を測りかね置かれた立場さえ見失うものの憐れ。しかしここは大賀弥四郎個人の問題と見るか、人間誰しも心の中に彼をもつのかを知ることで生きる道が成る。しっかり自戒しなければならない。2020/09/22
Jean31
3
戊辰戦争の敗軍のトップ、という言い方をあえてすると、徳川慶喜のようにトップであったにもかかわらず負けた後数十年生き続けた人は世界中探しても徳川慶喜と昭和天皇以外にいない。たったそれだけの知識からこの本を読み始めました。作者の思い入れなのかもしれないが、とても英明な人だという印象を持ちました。2016/01/08
Hiroshi Takeshita
1
前半は辛い。私利私欲の小人達が蠢いて、それは楽しい事ではない。中程で、鉄舟が登場し、そこからは一気に行ける。読書に何を求めてるかがよく分かって、興味深い。それにしても慶喜、凄い人だ。水戸藩の教育もあったのだろうが、兄弟も多いのだし、やはり個人に帰するのだろう。海舟に栄一。お札にされて、色々言われている栄一だが、それをひっくり返す程の豪快な仕事ぶり、当然のことながら、慶喜や海舟のお札も見てみたい。鉄舟も良い。剣客のお札がある国なんて、粋じゃないか。しかも、無刀流だと。世界に誇れる人達だ。ガンジーが三人だよ。2025/07/08
Wadachan
1
徳川慶喜への見方が完全に変わりました。2021/08/29