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内容説明
池禅尼(平清盛の義母)の涙の嘆願で頼朝は命を救われた。伊豆へ流された頼朝は仏道三昧の日々に身をやつして再起の時を待つ。だが平家の権勢は衰えを知らず、苦渋にみちた十数年の歳月が流れる。彼の無聊の青春を救ったのは、伊東祐親の姫との恋、それに破れて頼った北条時政の娘政子との結婚であった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
氷柱
4
666作目。1月17日から。スクイズを地で行くような2巻目。頼朝の恋路は儚く見えるようでただの自分勝手だ。そのわがままが織り成す事件が大胆に描かれる。人間模様やプライドを掛けた策略が人をビリヤードの球のごとく動かしていく様が何よりの見ものである。これから戦渦に巻き込まれて行くのは自業自得と取ることができる一方で、因縁に囚われたものだと取ることもできる。これだけ罪人扱いされていても味方がいて、それなりの人間に影響を齎すのだから流石だと思うし、理不尽な目にあってかわいそうだとも思う。2021/01/20
新父帰る
4
第2巻目は、頼朝の二人の女性、八重姫と正子に対するモーレツなアタックと頼朝の最初の息子の悲劇的な死がコントラストをなしている。惨殺された子供の亡骸が供養されることなく放置されたのは何故か?著者は、頼朝の当時置かれていた境遇、つまり流人としての境遇の一貫としたの振る舞いとして片付けたかったのか。母親、八重姫の悲哀が全く描かれてないのも不自然だ。一方、怪僧文覚の登場によって、俄かに源氏再興の狼煙が揚げられようとしている。記録の少ない流人時代の頼朝をどのように描くかは、正に作家の筆力による所が大きいように思う。2017/03/08
あさえ
4
流刑にされてから、風雲荒れる直前まで。色恋沙汰メインかよ!北条政子との逢い引き手段に感服2014/06/23
水戸
2
驕れる平家はひさしからず。頼朝の寂しくも静かな己の地盤固めの日々の巻でした。ゆるゆると流れる物語のなかに、うねる時代の変節と情報の交錯や捉え方の相違が折り重なり、切なくも辛い出来事とその奥に息づく新たな命運の芽吹きの描かれた巻でした。全3巻なんだけど、あと一巻で終われるのかしらと不思議。最終巻は、どこまでが描かれているんだろう。2017/06/09
ぺしみち
1
頼朝、モテモテじゃないですか。2024/11/28