内容説明
闇と光の強烈なコントラストが絵画にドラマを現出する。カラヴァッジョをはじめ、個性あふれる6人の巨匠の名画を紹介。総図版6,000余点をオールカラーで掲載。
目次
ルネサンスからの脱却
ラオコーン―秘められた異邦人のメッセージ エル・グレコ
分かれ道のヘラクレス―栄光と快楽との選択 アンニーバレ・カラッチ
聖母の死―人間の存在を暴くリアリズムの眼 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
ユディットと侍女―女性画家が描いた救国の女傑 アルテミジア・ジェンティレスキ
サビニの女たちの略奪―ローマ創建期の華麗なる略奪劇 ピエトロ・ダ・コルトーナ
イエズス会の伝道の寓意―海を越えた伝道の情熱への賛歌 アンドレア・ポッツォ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
296
この巻の副題は「バロックの闇と光」。タイトルからして、もうカラヴァッジオを主軸に置こうとしていることが明白である。そのカラヴァッジオ最初の1点が「聖母の死」(ルーブル蔵)。これまでの画家たちによる同テーマの図像表現の解説付き。ルネサンス絵画と比べると、カラヴァッジオの革新性は当然か。大きく突き抜けている。これぞバロック。その影響は、何人ものカラヴァッジェスキ(カラヴァッジオ様式の模倣者)を生んだことが明かす。ジェンティレスキ、マンフレーディ等。他にこの巻で大きく取り上げられているのは、エル・グレコ、⇒2023/05/02