内容説明
広島、長崎に投下された原子爆弾の被害に恐れをなした日本は、ついに降伏を決定。連合国総司令部は矢つぎばやに人権確保の改革、財閥解体、天皇の神格化否定などの処置をとる。平和憲法の公布を機に復興のつち音が響く。しかし世情は不安定なまま、昭和電工事件、松川事件と続き、そして朝鮮戦争の火が吹く。
目次
第1章 東条の強がり
第2章 森の人
第3章 ポツダム宣言
第4章 終戦
第5章 わが終戦前夜
第6章 人間天皇と復員
第7章 新憲法と戦後改革
第8章 飢えと混乱と活力と
第9章 空腹とのたたかい
第10章 米ソ冷戦構造はじまる
第11章 魚屋をやめて学生となる
第12章 あいつぐ謎の事件
第13章 紙芝居画家になる
第14章 復興のきざし
第15章 朝鮮半島火を吹く
第16章 紙芝居のかいめつ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
23
衛生兵からタバコで果物やタピオカと交換できると聞き、ふらふらしながらも何度もチャレンジして森の人と親しくなり食べ物をもらう。そうこうしているうちに切り取った腕から赤ちゃんの香りが。ここで初めて「内地に帰れるかも」と思う水木さん。終戦。軍医に現地除隊して森の人と暮らしたいと相談すると、腕の切断面から骨が出ているから帰って再手術するように進められ帰国を決意。終戦後も帰国船が来る前にマラリア等で亡くなる者も多かった。帰国後は「生きているというただそれだけのことがメチャクチャ嬉しかった」状態が二年続く。2020/12/12
HIRO1970
16
⭐️⭐️⭐️図書館本。2015/05/17
とんかつラバー
13
マラリアにかかり片腕を失い形ばかりの収容施設に。治療など出来ず放置されるだけ。うめき声があふれ、明け方に「おかあちゃん」と叫ぶとその人は翌朝死んでいる。まだ生きているのに隣の人と間違えられ埋葬されそうになる。漫画的創作でなく全て実体験。いよいよ戦局は悪化し日本は降伏を考え始めるがgdgd会議をしてるうちに原爆2発。御前会議が行われるが、最後まで徹底交戦を主張する陸軍のバカども。そして終戦しても餓死するかもしれない日々。2024/01/07
三平
12
今回は自伝分が多め。 復員したはいいものの、空腹の毎日。ヤミ米の買い出し代行、芋を恵んでくれる教会への入り浸り、秘密(?)結社への入会、魚屋開業、募金旅行、借金抱えてのアパート経営、紙芝居作家といきあたりばったり。それでも生きていけるのが戦後のドサクサによるものなのか。 もちろん激動の戦後で人生破滅した人も大勢いたのだが、水木サンは運がいいのか、運を引き寄せる胆力があったのか。 とにかく思うのは、あの時代をよく生き残り次世代にバトンを渡してくれた我々のご先祖様はエライ! 本当に感謝です。2019/08/25
ニッキー
10
戦後が始まる。 マッカーサーは是が非か⁈ 否定した軍隊も朝鮮戦争で簡単に復活。今日のピョンヤン共同宣言も他人事ではない。 陰謀的な事件も続発し、共産党は親ソ勢力弾圧の為に規制圧力がかけられる。情報収集力があるのに、人気の無い共産党は名前を変えれば人気が上がらないだろうか⁈共産主義からは脱却出来ないか。2018/09/19