講談社文庫
誰彼(たそがれ)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 442p
  • 商品コード 9784061852402
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

謎の人物から死の予告状を届けられた教祖が、その予告通りに地上80メートルにある密室から消えた。そして4時間後には、二重生活を営んでいた教祖のマンションで首なし死体が見つかる。死体は教祖?なぜ首を奪ったか?連続怪事の真相が解けたときの驚愕とは?新鋭の骨格豊かな力作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

278
久し振りに読みました法月綸太郎さんの第3作は「誰彼」と書いて「たそがれ」と読ませるニュアンスは難解でしたが内容的には素晴らしい作品でしたよ。新興宗教の世界を舞台にした二転三転の錯綜したフーダニットミステリーの傑作ですね。序盤はカリスマ教祖に届いた脅迫状の文面に隠された秘密のメッセージの謎解きと、地上八十メートルにある塔の密室からの消失トリックが冴え渡り、メインは首なし死体に隠された犯人の意図と意外な犯人の趣向ですね。これは完全にE・クイーンの名作「エジプト十字架の謎」への挑戦で複雑化された大成功作ですね。2023/04/11

takaC

71
『枢機卿』は初登場時には「すうきけい」とルビが振ってあったけど以降全部「すうききょう」と読んでいた。その方が耳に馴染んでいるから。2016/06/15

セウテス

71
デビュー作より、明らかにエラリィ・クイーンを意識した作風が特長の人と思っていました。しかし「雪密室」はディクスン・カーのトリックに挑戦し、今作品はコリン・デクスターの様なミステリーの作り方を感じます。とはいっても首なし死体と双子を使って、如何にも国名シリーズの頃のエラリィ・クイーンの語り口を再現しているのは流石です。密室トリックも一つ上の仕掛けという感じで、後半のどんでん返しの連続の手法には、参りました、付いて行くので精一杯となりました。法月氏は作品を通して虚しさ、やるせなさを描く人なのだと思いました。2015/01/27

Tetchy

70
前作と打って変わって、なんと複雑な物語。結局読了後も何がなんだか解らず。で、ふと気付いたら渦中の兄弟の苗字が「甲斐」と「阿部」。ということは「カインとアベル」のもじりではないか!これに気付けば理解出来たかも?でももう一度読む気は当分起きません。2009/01/10

HANA

68
新新宗教の教祖が密閉された塔から消失、離れたマンションから首無し死体となって発見された。という魅力的な謎からスタート。正直その密室トリックは腰砕けなんだけど、所謂「首の無い死体」が主題となっているのでそこはあまり気にならない。というか探偵の推理が次々と否定されていくので、そっちの方も気になって…。著者の作品を読むのは久しぶりなんだけど、ワトスン役が不在気味なので新本格の中では一番「足の探偵」に近いような気がした。それでもある程度目星を付けていた犯人、最後に引っ繰り返されて騙される喜びを十分に味わえました。2018/01/12

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