内容説明
怠惰な生活を送るティーのもとに、三年前に別れた恋人、極上の美女アールからかかってきた一本の電話。「アタシの酷い噂話や嘘をたくさん聞くことになると思う。ティーにだけは知っておいて欲しいと思って。アタシは変わっていない」街に出たティーが友人たちから聞くアールの姿は、まるで別人のように痛々しく、荒んだものだった―。彼女が自らを貶め、危険を恐れずに求めたものとは…。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒。『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。新時代の潮流に突如現れた、エンターテインメント界の期待の大型新人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
190
スロウハイツの神様のスピンオフ。装丁にまで力を入れている。ラノベらしいなって印象。2013/12/14
そのぼん
178
突然昔の恋人から電話があり、主人公が彼女の消息を追っていくようなストーリーでした。殺人のライセンスがあるようなパラレルワールドっぽい設定でした。ものすごく作品の世界に没頭も出来なかったけど、全体的に流れる切なさのみたいなのは伝わってきた気がしました。2012/12/26
takaC
165
与えられた手掛かり(この本)だけで、タイトル『V.T.R.』の謎は解けませんでした。意味深タイトルではないの?誰か教えて。2012/03/14
文庫フリーク@灯れ松明の火
147
『スロウハイツ』作家・千代田公輝17歳のデビュー作。なるほど奥付がふたつ、凝ってますね。辻村深月さんの作品として読むと、書き込み不足で物足りない感じ。チヨダ・コーキ作品として読む作品なのでしょうね。むやみに『スロウハイツ』再読したくなる副作用有りです。イメージしたのは寺沢武一さん『コブラ』のレディーとコブラ(笑)辻村さん教育学部卒とのことですが、ロボットのペロッチは初等教育のペスタロッチからの命名でしょうか。2012/01/19
くろり - しろくろりちよ
137
チヨダ・コーキが来た…!『スロウハイツの神様』の時から『オーダーメイド殺人クラブ』で慕い続けて、ずっと彼の作品に逢いたかった。鮮烈なデビュー作かどうかは置いておくとして、最後の最後まで敢えて何も予想せずに読み耽り、ここに極まれり。「生涯、ただ一人だけ。殺し屋、トランス=ハイがこの手で殺した女。」どれほどの意味を持つことなのか。思い入れがあるからこそではあるけれど、絶対に見逃せない一冊。チヨダ・コーキ、イコール別の一世を風靡した作家を重ね合わせていたのですが、予想は外れたけれどこれはこれで良かった。2012/06/19